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2008年 12月9日
暮らし、経済...未来像追う
山口「再生やまぐち」
山口県が抱える課題、そして再生の動きを追った一面企画が完結した。昨年四―五月の「教育」、八―十二月の「暮らし」、今年四月開始で十二月二日に終わった「経済」まで、大型版の四十八回。
経済は、高齢化と後継者不足に悩む農・水産業、地域再生の柱として期待される観光、にぎわいを取り戻そうと苦闘する商店街に目を向けた。締めくくりは県経済を切り開いていく産業、企業の期待の星たち。独自の技術や従業員の豊富な経験を生かす活力ある姿を紹介した。山口市の三笠産業は、物体をミクロン単位に細かく砕く微粉砕技術で生野菜を粉末状にした自然食品を開発し、注目を集める。医療用計測機器を製造する周南市の東ソー・ハイテック福川工場は、半数以上が六十歳代。親会社で危険物を扱ってきた注意深さを、医療用の高品質の製品作りに生かしている。
教育では、学生から児童まで、少子化で減り続ける悩みなどを紹介。県立高校の五割余りは再編対象で、長門市の普通科高と水産高との統合案は反対する地元と調整がつかない。小中学校の遠距離通学も多くなった。
暮らしは地産地消、高齢者施設、医療に分類。地産地消では、高齢者にはつらいタマネギなど重量野菜の収穫を応援する防府市のボランティア、地元産の食材にこだわる店を「やまぐち食彩店」に認定する制度などを取り上げた。高齢者施設は、サービスが多様化すればするほど利用者の施設選びが難しくなっている。自治体病院の再編による地元の不安、医師不足で小児・地域診療や出産受け入れが崩壊寸前など、医療問題も深刻だ。
県内四支社の二十一人の記者が担当。松下真澄・編集制作センター長は「これからの山口県を考えるきっかけにしてほしい。記者の勉強にもなった」と語る。(審査室)