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2009年 1月20日
多様な現場に「雇用」を見る

西日本「シリーズ『働く』」

急速な景気の悪化が生活基盤を揺るがす雇用不安を深刻化させている。生活面で二〇〇八年一月から取り組んでいる連載は、こうしたさまざまな「働く現場」の課題を、人間模様を通じて浮き立たせる。

人はなぜ働くのか。第一部(七回)はさまざまな分野で働く人々の姿を通じて、この問いを考えた。離婚後出産した長女(三つ)と二人暮らしで非正規事務員として働く福岡県の三十代の女性、福岡市のバーで演奏する脱サラのバイオリニストの男性、上司と部下の板挟みに悩む中間管理職の男性。仕事の形はさまざまでも、仕事が生きることを教えてくれている。

第二部(五回)では非正規労働の現場からパート、フリーターを取り上げ、熊本県で訴訟になった〝女工哀史〟のような外国人研修生・技能実習制度にもメスを入れた。

第三部(五回)は賃金の低さや長時間労働などから人材不足に陥っている介護の現場だ。人と人との支え合いの社会はどうなるのかと問いかける。第四部(四回)では、国が普及に取り組む「スモールオフィス・ホームオフィス」(SOHO)計画の課題を指摘した。

そして第五部(六回)で派遣労働者の現状と未来を探った。派遣切りが相次ぎ、職場を追われる労働者。「おれたちはモノなのか?」と不満の声が高まる。暮らしの安全網構築と、「派遣」という働き方の見直しが必要だとも指摘する。

厳しい雇用環境でも、ライフスタイルを見直す機運を失わせるわけにはいかない。年明けからの第六部(五回)では「仕事と生活」を自分流にデザインしながら暮らす人々の日々を追った。

「多様な働き方や労働の在り方を考えながら、雇用不安の現状を検証した」と岩田直仁文化部次長。同部生活班の酒匂純子キャップ、下崎千加記者ら七人が担当。(審査室)

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