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2010年 2月9日
分権の時代、改革へ試行錯誤
河北「変えよう地方議会―あすの自治」
地域主権・地方分権の流れの中で地方議会はどう変わろうとしているのか。改革へ試行錯誤し始めた議会・議員の実態を追い、住民自治確立への視点を探る。12月から1面で掲載。開始に当たってシンポジウムを開催したほか、特集や関連記事なども展開している。
プロローグ「政権交代の余波」(5回)は、11月の酒田市議選でただ一人「自民公認」を掲げた候補を取り上げた。他の自民所属議員が無所属を名乗る中、有権者を欺いて議会改革も党再生もできないと思った。かろうじて当選したが、市長選で「首長と議員のなれあいはおかしい」と自民推薦現職を応援しなかったため離党に追い込まれた。
第1部「聴く、話す」(7回)は報告会を積極的に開く議会が増えてきたことを紹介。議員定数や報酬の削減など厳しい要求も出るが、住民の声を奨学制度改善に生かした例も。住民との距離を埋めようと広報の充実に力を入れる議会もある。
第2部は「つくる、考える」(8回)。会津若松市議会は市が打ち出した公共施設再編案に待ったをかけた。議会基本条例をつくり市民本位の立場で議論するなどの理念をうたった成果だ。基本条例制定の動きは東北各地で広がっている。ただ改革に着手したといっても準備や熱意不足で立ち往生する議会もある。第3部「ためす、迷う」(5回)では、基本条例や倫理条例などを作りながら、それを有効に生かせず試行錯誤する姿を追った。
「分権の受け皿になるのは首長と議会。とりわけ議会がしっかりしなければ進まない。改革への動きは始まったが内実はさまざま。その実態を見極め、進むべき道を提示していきたい」と取材班キャップの渡辺雅昭編集委員。他に報道部の矢野奨、藤田和彦、丹野綾子記者が担当。参院選前まで続く予定だ。(審査室)