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2010年 8月3日
地域発展につながる方策探る

十勝毎日「高速道路開通 350万市場への道」

道東自動車道の夕張―占冠(しむかっぷ)間が来年開通、札幌など道央圏と十勝が高速道路で直接つながる。これまでは日高山脈越えの日勝峠が「関所」となっていたが、交通の便が飛躍的によくなることで観光などに期待がかかる。半面、350万人の市場を持つ道央との地域間競争は激化する。開通を地域発展にどうつなげるか、年間キャンペーンの1面企画で探っている。

第1部「活性化の道標」(1月、5回)は昨年からの休日割引制度を活用する四国・九州の先進例をルポ。徳島道の吉野川ハイウェイオアシスは、物産センターや入浴施設を備えた町出資の第三セクター施設で、観光客と住民が交流してにぎわう。しまなみ海道では、高速道利用者を引き留めようと宿泊券が当たるキャンペーンを実施。大分道の別府や湯布院では、温泉に地元の食を組み合わせたPRに力を入れる。こうした例を参考に「効果的な情報発信などを積み重ねれば、巨大市場・道央圏の消費者を必ず引き寄せられる」と強調する。

第2部「十勝の現状と課題」(2月、5回)では、購買力や人口が道央圏に流出するストロー現象の懸念を指摘、地域を越えた十勝全体の連携や情報発信の必要性を訴えた。 

第3部「無料化スタート」(7月、3回)は、道東道も対象となった高速道無料化実験を検証。道央からの観光客が増えたことを実感する一方、インターチェンジのない地域は地盤沈下の恐れも。

企画と並行してシンポジウムを随時開催。今後、道東道とつながる新千歳空港を活用し、十勝に中国からの観光客を呼び込む戦略なども探っていく予定だ。「せっかくの道東道開通を、何とか地域のプラスにつなげたい」と取材班キャップの岩城由彦記者。他に関坂典生、菊池宗矩、犬飼裕一、酒井花、澤村真理子、関根弘貴記者が担当。(審査室)

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