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2010年 10月13日
社会保障は機能しているか
熊本日日「ほころぶ暮らし」
世帯単位での所得格差が拡大する一方で、生活困窮者への公的支援は、財政難からほころびが目立つ。雇用、医療、年金や介護など社会保障制度は機能しているのか。熊本県内の各年代層の暮らしを通して検証した。
社会面で1月から開始した連載(各部11~12回)は「社会保障を考える」シリーズ。
第1部(1~2月)は「子ども編」。ピアノ、バレエ、英語と、子どもの自力を養う投資は惜しまない裕福な家庭があれば、生活のためにパートを掛け持ちし、子どもとの触れ合いがとれない母子家庭が。遅刻しがちな子ども、大人を信用できない子どもたちと、家庭の経済格差は教育や健康だけでなく、人間関係づくりにも影響を与える。
第2部(3~4月)の「子育て編」では、子育てに携わる親の悩みや直面する問題をリポート。母子家庭に比べ経済的援助が少ない父子家庭。子育て支援が叫ばれながら待機児童や学童保育の問題点が改善されない実態が浮き彫りになる。
第3部(5~6月)は「仕事編」。リストラなどで離職した中高年にとって再就職は難航する。安定した仕事に就けず、不採用続きで「心が折れそう」になる。また制度はあっても、介護や育児休業後の復職がすんなりとはいかないのが実情だ。
第4部(7~8月)の「障害者編」では、ニーズとかみ合わない福祉サービスや障害年金、就労など、さまざまな課題に直面する障害者の日常を追った。
9~10月の第5部は「医療編」。医師や医療機関が減少する地域での産科、在宅診療の困難さや救急救命、所得によって生じる医療の格差など、医療現場の課題を探る。
暮らし情報部が担当。桑原英彰部長は「社会保障のほころびの現状を知ってもらいたい」と語る。11月予定の第6部は高齢者問題。(審査室)