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2010年 11月16日
経済効果運ぶか、九州新幹線

南日本「秒読み全線開業」

九州新幹線鹿児島ルート(博多―鹿児島中央)が来年3月に全線開業する。関西圏との交流拡大が期待され、地域はどう変わるのか。3月から、南日本放送(MBC)との「九州新幹線連携企画」として1面の連載(各7回)で探った。

第1部は「チャンスを探る」(3月)。大阪・堺市で展開したキャンペーンでは鹿児島の「食」をアピールし、「食い倒れの街」の女性客の取り込みを狙った。観光連盟は、輸送力アップを修学旅行など団体客誘致へと結びつける活動に力を入れ、伝統工芸の団体も本場の大島紬(つむぎ)に、博多人形、熊本の肥後象がんを連携した商品開発を進めている。

2004年3月の九州新幹線一部開業で交流人口が増えたが、課題も浮き彫りに。全線開業はどんな影響を及ぼすのかを、第2部「『つばめ』6年の光と陰」(5月)で追った。JR九州から切り離され、鹿児島、熊本両県などが出資する第三セクターの運営となった肥後おれんじ鉄道(川内―八代間)は、新幹線や車へのシフトで利用者数の減少に歯止めがかからず経営環境は厳しい。一方、JRの利用者増から駅レンタカーの貸し出しや駅弁の売り上げが増えるという〝光〟の面も。

第3部の「先発地を行く」(8月)では、12月4日に東北新幹線の全線開業を迎える青森、既に開業している秋田、長野、新潟など先発地の現状を取材した。そこから見えてきたのは、新幹線効果を県内全域に波及させる取り組みの必要性だ。新幹線という「いい道具」も、「持っているだけでは人も企業も(鹿児島県に)来てくれない」という地元経済人の言葉には重みがある。

11月第4週から開始予定の4部では「九州各県の取り組みなどを紹介する」と、担当の國弘崇・政経部副部長。同部の九州新幹線全線開業取材班が担当。(審査室)

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