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2010年 12月7日
映画、漫画でふるさと再発見

北日本「ストーリーズ TOYAMA」

富山県ゆかりの映画、漫画など、多くの物語とそれに携わった人々を通して、ふるさと富山とは何かを考えた。1月から10月末まで木曜、土曜の文化面で計31回連載。

第1部は、実写映画が来春公開される原秀則さんの青春ラブ・ストーリー漫画「ほしのふるまち編」(5回)。東京で落ちこぼれた高校3年生の主人公が氷見市の親戚の家で暮らし、生きる道を見つける話だ。原さんは砺波市出身の担当編集者が提案した氷見を回り、ウソを加えず背景に使った。「東京やと見えん星も…場所が変わればちゃんと輝くんやね…」といった地元少女のセリフとともに好評だった。故郷を見直すきっかけにという地元からの映画化希望に、射水市出身のプロデューサーが「『富山って、ふるさとって何だろう』という心の引っ掛かりが誰の胸にもあるはず」と応えた。

第2部「映画編」(13回)は富山ゆかりの映画7本を取り上げた。「釣りバカ日誌13」は富山市出身の本木克英監督がメガホンを執り、朝日町出身の左時枝さん演じる富山のおっかちゃんが印象的だった。「黒部の太陽」は、トンネル掘削の困難を強調するという理由で映画化反対の声があったが、映画人の熱意が勝った。立山町の山岳ガイド、多賀谷治さんは、ガイドに光を当てた「剱岳 点の記」の撮影を支えた。

第3部「クリエーター編」(13回)では本木監督のほか、同じ映画監督の滝田洋二郎、アニメーション映画監督の細田守、漫画家・まつもと泉、山根青鬼、藤子不二雄Aの各氏が、自身の道選びと富山への思いを語った。

文化部・黒田修一朗、菅原郁、立山上市支局長・稲垣重則の3記者とともに担当した本田光信・同部部長デスクは「富山には創造的な作品があり、人々の思いの積み重ねがあることを紹介した」と語る。(審査室)

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