2011年 1月25日
ボランティアが守る自然

常陽「森林(もり)と生きる」

今年は国連が定める国際森林年。各国は森林の保全に一層努力することを求められている。茨城県も手入れ不足で荒れた山林が多いが、一方、森林ボランティアの活動も活発になりつつある。森が大好きな人たちの活動を各地に追い、1面で1月3日から10回連載した。

第1回は森林ボランティアの「つくば森林クラブ」。会員15人は60歳代の定年退職者がほとんどで、民有林の間伐はもちろん、荒れた古道やハイキング道を、人が通れるように整備している。最高齢は76歳、「集まってワイワイやるのが楽しい」という人たちばかりだ。森林ボランティアの草分けは「いばらき森林クラブ」。発足は1997年、会員150人。植栽、枝打ちや間伐、炭焼きにキノコ栽培、腐葉土づくりまで活動は多彩だ。チェーンソー講習会にも参加し知識・技術は「セミプロ」級。第6回で紹介した。

地元スーパーの「カスミ」は創立50周年の今年、笹間市の県立自然公園内で植林事業に取り組む。参加者80人は一般公募。森を守ろうとの思いを同じくする「お客さま」を巻き込んでの記念事業だ。まず6年間で約6千本の植栽を計画、自分が植えた木が大きくなれば「子どもたちも感動するのでは」と同社の担当、高木健一さん(39)は言う。

常陸太田市でスギ、ヒノキなど150ヘクタールの山林を所有する林業経営者の佐藤健一さん(55)は地元の若い林業経営者と勉強会「林業教室」を開き、森の手入れや木材の出荷方法、販売先まで教えている。茨城県は漆の生産が全国2位。漆苗を育て漆の採取、塗りまで手掛ける神長正則さん(60)、耕作放棄地を利用し「漆の里」づくりに励む。園部高秀取締役編集局長は「森が良くないと湖や海の水質もきれいにならない。肩の力を抜いてボランティアに参加してほしい」と語る。編集局の10人が担当。(審査室)

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