2011年 2月1日
孤立防ぐ支え合う形求めて

京都「ひとりじゃないよ」

孤立に陥りやすい現代社会。家族や地域のつながりが希薄になる中、困った時に手をつなぎ合える新たな支え合いを探っている。昨年11、12月の第1部で始まったシリーズは、毎回、1面から社会面に続く大型企画。元日から第2部スタート、2月には第3部に入る。

第1部「老いの情景」(9回)は、孤立高齢者と支援の動きを追った。京都市内では、身寄りのない高齢の生活保護受給者がワンルームマンションにたどりつくケースが増えている。家賃下落で住宅扶助費でも手が届くようになったためだが、そこには入居者同士とも地域とも接点がない孤独死の危険も潜んでいる。民生委員らは語り合いの大切さを説き、巡回訪問に励む。独居高齢者宅を訪れて話を聞く会を立ち上げた内科医もいる。

同市の醍醐南市営住宅は高齢者見守り活動の先進地とされるが、周囲との接触を一切断つ男性の孤独死を防げなかった。援助拒否への対応について専門家は「信頼してもらうために時間をかけ寄り添うしかない」と語る。

第2部「育ちの補助輪」(7回)は、学齢期の子の孤立と支える人たちを追った。不登校の中学3年生は、こども生活支援センターの学生ボランティアと触れ合い、「自分もボランティアになりたい」と言うまでに成長した。自傷とセックス依存症だった女子大生は性の問題で悩む仲間に支えられ、今は自分が支え手に。佛教大3年の女子は、自身が4年半過ごした相楽郡精華町の児童養護施設で中学生や高校生の悩みを聞く。複雑な家庭で育った者同士だから心の奥底を引き出せると思う。

社会報道部の大西祐資・社会担当部長は「誰がどう手助けするのか。支え合いのモデルを示せれば」と語る。半年程度続ける予定。第2部までは同部と写真映像部の9人が担当した。(審査室)

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