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2011年 3月22日
夢追い挑戦する若者たち
苫小牧「いま再生のとき」
地域社会が失いかけている自信や元気。そんなまちの活性化、復興を目指す「再生」への取り組みを追っていく。
1月に社会面で10回連載した第1部「まちの元気びと」では、文化、産業、福祉などさまざま領域で夢を追い挑戦する若者にスポットをあてた。
まばゆい光を放つミラーボール。普段はひっそりとした貸しホールが、一夜限りのディスコに大変身した。地元飲食店などが連携し、中心市街地を盛り上げようと有志が「苫人(とまと)のへそ」を結成。その中心メンバーで、生まれも育ちも苫小牧の木戸秀樹さん(34)は「寒々とした苫小牧の街を元気にしたい」との思いからディスコイベントを企画した。これを契機に「恒久的に人を呼べる観光資源を考えていきたい」と奔走する。
昨年4月から地元ラジオの番組で「アイヌ語ラジオ講座」の講師を務める中野巴絵さん(27)。消滅の危機にさらされている世界約2500言語の中でもアイヌ語の危機度合いは最も高い。アイヌ民族の両親の間に生まれた中野さんは、自身のルーツに誇りを取り戻すため、まっすぐに未来を見据えて、アイヌ文化の伝承に取り組む。
インターネット上のコミュニティーサイト「ママサークル苫小牧」を立ち上げた金内さおりさん(34)は、少子化や核家族化、人間関係の希薄化などの環境の中で、地域で孤立する人々を助け合いの輪で支える。「とにかく牛が好き」と、31頭の乳牛を飼育する酪農家の3代目、田中裕美子さん(27)が「等身大の酪農(楽農)」を実践し、業界への逆風に立ち向かう姿を読者に伝える。
「元気のなさが目立つ若者へのメッセージとなれば」と下川原毅・社会部長。同部を中心に10人の若手記者が担当。第2部は子育て支援を取り上げる。(審査室)