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2011年 4月12日
地元原発の防災対策を懸念
室蘭「西いぶり定住自立圏 心合わせて6市町」
少子高齢化と地方の衰退を解決する方策として、室蘭市を「中心市」に据えて北海道・胆振地方で始動した「西いぶり定住自立圏」構想。その具体的な事業内容となる「共生ビジョン」づくりが本格化している。
室蘭市は、周辺5市町と合わせた人口20万人の圏域の発展を実現し、地方分権の受け皿となるのか。新たな広域連合の手法である定住自立圏の成否は、周辺市町や産学官の知恵と行動力を総合した地域力が鍵となる。
1面で1月1日付から開始した連載は、年間取材テーマである「深める連携、高める地域力」の第1部。医療、防災、観光など8分野18項目の共生ビジョンを10回にわたって検証した。
共生ビジョンの第1項目に掲げた「医療」は、室蘭市の周辺市町が期待を寄せる分野だ。圏域医療機関の連携を促進し、住民の安心を支える医療体制の充実を図るため、医療機関相互の連携システムを構築。遠隔妊婦健診などによる周産期医療の充実も目指す。
「防災」では、災害時の相互応援体制を確立し災害派遣医療チームを編成する。20~50年周期で噴火を繰り返す有珠山への対応が、圏域における防災上の地域課題だ。
地域振興策として重要なのが「観光」だ。中心市・室蘭市に対して一方的な依存関係に陥らないよう、登別洞爺広域観光圏協議会など周辺市町が主導権を握る取り組みにしている。西いぶり定住自立圏の試金石になる。
「教育」「環境」「地産地消」などスクラムを組む事業分野はいずれも「地域の中から湧き上がる知恵や実行力といった圏域の総合力」が問われると、連載は指摘する。
「人口減少の地域が20万人の圏域として再興できるか。期待は大きい」と語る政経部の佐藤重理副部長。同部の粟島暁浩記者と担当。(審査室)