2011年 9月20日
食材という「宝」生かそう

十勝毎日「農業から『食業』へ」

自給率1100%をうたう北海道・十勝。国内に冠たる農業王国だが、豊富な食材という「宝」が地域で十分生かされていない。そこで今年の年間キャンペーンの1面連載で、食を起点に地域の産業を結び付けるさまざまな提案を発信している。

十勝を代表する料理やスイーツなどを取り上げ、全国ブランドにつなげるヒントを探った第1部「検証!十勝ブランド」(1月、6回)では、帯広を代表する「豚丼」が登場。B―1グランプリに優勝して全国に名を広めた「甲府鳥もつ煮」が、地域での消極論を乗り越えてブレークしたことを紹介しながら、「豚丼」の知名度アップへ関係者が一丸となるよう訴える。

十勝は「菓子王国」を自認するが、「スイーツ戦国時代」にある道内でどう戦っていくのか。連載は、キーワードは「チャレンジ」だと指摘する。全国でブームを呼んだ花畑牧場の「生キャラメル」を売り出した田中義剛社長の、十勝のスイーツはチャンスがあるのに「『家族経営』にとどまってチャレンジしない」という言葉の教訓でもある。

第2部「追跡!十勝産」(7月、8回)では、豊かな大地で育った代表的な産物が姿を変えつつ、日本の食を支えている実態を紹介。十勝生まれの素牛は飛騨牛、松阪牛など「ブランド和牛」に育つ。北海道産の4割を占める十勝小豆は、和菓子に欠かせない「あん」のもとで、ナガイモはお好み焼き文化を支える。

8月の第3部「Nagaimo 売り込みの旅」(4回)は、ナガイモの輸出強化を目指して訪米したJAなどの視察団の同行ルポ。北米での消費の現状と可能性を探ってきた使節団の手応えを伝えている。

「農業を軸に、地域で生き残りの手段を考えることを提案したい」と取材班キャップの植木康則政経部主任。計10人の記者が担当。(審査室)

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