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2011年 11月22日
歴史遺産を活用する
北日本「ヒストリア高岡」
6月に国の「歴史都市」認定を受けた富山県高岡市の歴史・文化遺産に光を当てる長期企画。これまでに「ふるこはんと歩む 伏木 勝興寺」(7月8回)、「400年 次代につなぐ 鋳物の里 金屋町」(8月8回)、「未完の大伽藍 国宝瑞龍寺」(9月8回)、「『古御城』今昔 高岡城跡」(10月8回)の計4シリーズを連載した。
高岡は1609(慶長14)年、加賀藩二代藩主・前田利長が城を築き開いた。城は廃城となったが、三代利常によって商業の町に生まれ変わった。
同市金屋町は高岡鋳物発祥の地。今年開町400年を迎えた。全国トップシェアを持つ高岡銅器のルーツだ。狭い間隔の千本格子「さまのこ」のある家並みや昔懐かしいキュポラ(溶鉱炉)を保存して国の重要伝統的建造物群保存地区の指定を目指す。
利長の菩提寺の曹洞宗瑞龍寺では、今はない「七間浄頭(しちけんじんずう)」(トイレ)と浴室を復元して、山門、仏殿、法堂(はっとう)、大庫裏(おおぐり)(台所)、禅堂と合わせた江戸時代の壮大な「七堂伽藍(がらん)」に戻そうという機運が盛り上がる。高岡ロータリークラブがコンピューターグラフィックス(CG)で2棟を再現、DVDを関係者へ配布し、インターネットでの公開も検討しているという。
一方、蓮如上人ゆかりの浄土真宗勝興寺は、地名(同市伏木古国府(ふるこくふ))から「ふるこはん」と親しまれている。国の重要文化財12棟のうち本堂は修復を終え、他の建物群の「平成の大修理」が進む。書院は茶会、大広間はコンサートなど市民に開放する構想もある。
連載では、勝興寺や金屋町の「まちづくり協議会」など、地域住民の活動もきめ細かく紹介した。「せっかくの歴史遺産を活用しきれていない。認定を機に、もう一度『高岡の宝』を見直したい」と朝日裕之・高岡支社編集部長。同部9人の全員参加で来春まで続ける予定だ。(審査室)