1. トップページ
  2. 刊行物
  3. 新聞協会報・紙面展望
  4. 「暮らし」「地域」充実

2008年 1月1日
「暮らし」「地域」充実

2007年紙面企画・改革の状況
環境問題、腰を据えて

二〇〇七年、新聞各社の紙面刷新の傾向を見ると、「暮らし」と「地域」がキーワードだったように思える。読者の生活に密着しつつ、単なるカタログ情報ではない、社会情勢を的確に反映した、タイムリーな情報を提供しようとするものが目立った。また、各地方の財政難、人口減、逼迫する医療など深刻な問題を見据えて、それぞれの地域を見つめ直す企画が多く見られた。ほかに、団塊世代など特定層に焦点を当てた企画、環境問題への長期的取り組みも見られた。紙面刷新の社告掲載は、五十五紙九十一件。紙面改革の時期は、四月が三十九件で最も多く、一月の二十七件がこれに続いた。

食・子育て・健康・医療

〈暮らしに役立つ〉生活をテーマとした面の新設や全面刷新、増ページなどをしたものには、朝日夕刊「beイブニング」、毎日「くらしナビ」、日経「消費面」、夕刊フジ新健康面「ココロとカラダが元気になる」、北海道別刷り「日曜navi」、秋田「くらし」面、東奥情報ワイド面「You感わいど」、福島民友「木曜ナビ・ほっと」、北國「石川総合面」などがあった。既存の生活情報面で開設された新趣向のコーナーや連載では、食や子育て、健康、医療に関するものが目立った。東京「子どもと大人の〈あいだ〉」、産経「食のカルテ」、北海道男性にも参考になる簡単料理メモ「おいしい・かんたん」、室蘭「医療・介護・年金・健康」、十勝「俺たちメタボ」、下野「心の痛み診察室夫婦編」、信毎「助け合って子育て」、北國「子ども栄養学」、京都「まるごと応援くらし塾」、神戸夕刊・刷新した「くらしの経済」に「マネー講座」、四国男性向け育児情報「週間パパパイ」、琉球「ウチナー食卓の風景」など。

〈地域を見つめて〉北海道道内の一次産業の現場を見つめた「土森海」、室蘭「人・ボイス」、十勝依然低迷する十勝経済を見据えた「格差社会を考える」、東奥「つなぎとめる命」、陸奥「あのまち このまち」、河北仙台圏に暮らす様々な人の素顔に迫るインタビュー、信毎連載「新幹線あさま10年」、中日「中部発」、名タイ「再生への助走」、北日本「人 街 輝く―富山中心街再開発」など、神戸「関西経済」の充実化、山口「再生やまぐち」、佐賀「さが再生―地方の挑戦」、熊本「都市圏」面刷新、宮崎「自治再生」、南日本「故郷 かごしま地域再生」、沖縄「民話物語(むぬがた)い」、琉球「自治の胎動」。

〈団塊・女性・若年層〉特定層をターゲットにした企画も目に付いた。

読売夕刊「WOMAN」で、働く女性を対象にした企画を強化、東京中高年向けに「途は続くよ」、陸奥若年層向け「ビビッと!」、下野大型写真特集面「とちぎ団塊の詩」、岐阜「シニア」、京都「働くママはいま―仕事と育児のバランス」。

〈環境〉毎日地球温暖化をテーマにした大型連載、東京「地球発熱」、京都「できるか マイナス6%―京都議定書の行方」など、環境をテーマにした連載も多かった。このほか、個別には掲げないが、分かりやすさ、見やすさをこれまでより意識した解説・分析面、インデックス欄を作るところも目立った。

〈新しい枠組み〉朝日部制廃止と紙面作りを連動。各面の出稿を特定グループに限らず、二、三面から雑報ニュースを追放して、解説記事中心の「きょうがわかる」、「あしたを考える」ページにした。

西日本九州大学と提携し、法学研究院に寄付講座「分権型社会論」を開設。紙面の地域再生キャンペーン企画「わたしたちの九州」とも連携。

〈文字拡大〉読者の高齢化を配慮。毎日従来より14%大きい文字(J字)を導入、一段十字に。河北文字の横線を13・9%、縦線を21・8%太く。字詰めは一段十一字のまま、岐阜シニアのページで文字を他面の一・三倍に、西日本生活面の文字を約二割拡大。

〈双方向性〉十勝読者主体のコーナー「ふりーとーく」、神戸読者が釣った魚の写真を掲載する「とれとれメール」、長崎読者との交流をはかる「キャッチボール」、大分県内全域から募集した約百三十人の女性通信員による地域ニュースAnna Donna(あんな どんな)。

ネット独自の取り組みも

〈ウェブ〉毎日総合情報サイト「毎日jp」開設。MSN毎日インタラクティブは終了。読売読者が撮影したニュース写真や動画の投稿を受け付ける「みんなで特ダネ!」専用サイト開設、産経「MSN産経ニュース」、山形連載中の「みんなで歌おう 童謡・愛唱歌」で取り上げた歌を同紙の携帯サイトでも聞けるように。信毎信州LIVE onテスト公開。大分HP上に、留学生らによる「学生が選んだ大分発のニュース」を英中韓スペインの四か国語で紹介。(審査室)

ページの先頭へ