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2012年 1月1日
子供新聞の創刊相次ぐ
2011年紙面企画・改革の状況
震災で多くの特集・企画
2011年、新聞各社の紙面刷新では、新学習指導要領の小学校での全面実施に合わせた子供向け新媒体の創設や子供関連企画の拡充が幅広く見られたほか、東日本大震災を受けて、自らの地方に引きつけた特集・企画が多く立ち上げられた。なお、今回は、震災の影響で全国紙は大幅な紙面刷新を見送った。
親子で楽しめる内容に
《子供向け別刷り創刊》子供向けの別刷りを創刊したのは、読売、東奥、山形、上毛、常陽、静岡、中日、大分。朝夕刊の統合や土曜夕刊廃止と併せて提供するケースもあったが、新媒体として有料で創刊するものもあった。内容は、(1)内外ニュースの分かりやすい解説、(2)やさしい時事英語、(3)学習参考情報、(4)親しみやすい読み物などが多く、「親子で楽しめる」を強調する社も目立った。読売は3月、週刊の小学校高学年向け新媒体「読売KODOMO新聞」タブロイド判16ページを創刊。月500円。東奥は6月、土曜夕刊休止と同時に「週刊小中学生新聞」タブロイド判16ページを創刊。毎週日曜日に朝刊とセットで届ける。無料。山形は8月、朝夕刊統合と同時に子供向け新聞の週刊「ヨモーニャぱーく」タブロイド判8ページを創刊。毎週日曜日に朝刊とセットで届ける。無料。上毛は4月「週刊風っ子」ブランケット判6ページを創刊。無料。常陽は3月、茨城県土浦市内の小学校に届けるタブロイド判4ページの「常陽小学生新聞(土浦版)」を創刊。無料。静岡は4月土曜夕刊廃止と同時に小中学生向けの別刷り新聞「週刊YOMOっと静岡」タブロイド判12ページを創刊。日曜朝刊とセットで届ける。無料。中日は8月、週刊の「中日こどもウイークリー」タブロイド判12ページを創刊。毎週土曜日発行。1か月450円。大分は7月「GODOジュニア」タブロイド判12ページを創刊。毎月第1土曜日発行、1部100円。
《子供向けページ新設拡充》子供向けページの新設や拡充も相次いだ。NIEページとの統合、共同配信の「Let,sえいGO!」の活用などが目立つ。たとえば北海道は4月、従来の小学生新聞を拡充刷新して「道新週刊フムフム」に改題。「スポーツスター選手伝」「Let,sえいGO!」などを定期掲載。また子育て面は、育児や子供に関する話題を集め家族でじっくり読んでもらう「子ども」面にした。より親しみやすい紙面を目指す工夫も。たとえば従来の週刊こども新聞と教育ページを改編した神戸の「週刊まなびー」(2月開始、10月再編)では、子供たちの失敗談、恋の話などをアンケートし、それをプロの漫画家に描いてもらう連載を開始。北國では8月「北國こども新聞」を従前の倍の8ページとし、石川県輪島市出身の永井豪氏の手になる漫画「タイム・スリッパー珠姫」の掲載を始めた。
テーマは絆・復興・防災
《東日本大震災を受けて》3月の東日本大震災と原発事故を受けて、関連する多くの特集・企画が立ち上げられた。とりわけ、夏以降は、単なる事象の報道を越え、自らの地方の課題に引きつけた新企画や、「次の震災」への備えを強く意識した紙面改革が目に付いた。たとえば神奈川は7月、防災面「減災新聞」を新設。京都は11月に1ページ特集「備える」を新設、新連載「原発、エネルギー 京滋の国会議員に聞く」も掲載。佐賀は10月、年間企画「さが再生」の第3部テーマを「原発と暮らすということ」とした。北海道は10月の改革で東北臨時支局を開設して被災地報道を継続的に行う体制を整えるとともに、社会面に「原発震災後を生きる」、生活面に「くらし・放射能」の各欄を作った。一方、福井は「東日本大震災で絆や日常風景の大切さを痛感した。その思いを共有するため」として、10月から写真企画「人、笑ふ。2011秋」を始めた。このほか多くの社が絆、復興、防災などをキーワードに新連載、新企画を展開した。
《地デジ化でテレビ面改革》7月のアナログ放送終了と地上デジタル放送への全面移行に合わせて、多くの社がテレビ面を刷新した。刷新内容は、見やすさを追求しての文字拡大、掲載局入れ替え、Gコードの掲載取りやめなどだった。このうち徳島は「県内のケーブルテレビ普及率が全国2位と飛躍的に高くなった」ことを受け、別刷り週刊の徳島新聞テレビウイークリーを拡充、毎日の番組表でもケーブルテレビで視聴できる大阪の番組情報を現在の2倍に拡大した。
《その他》佐賀は、本紙を日々の動きを追いつつ生活情報も盛り込む「ニュース版」と文化企画などを中心とした「ライフ版」の2部構成に再編。紙面刷新に際しては新聞再生に向けた提言「新聞八策」を公表している脳科学者の茂木健一郎氏に意見を求めた、という。その他各紙の紙面刷新詳細は本紙2011年4月26日付も参照されたい。(審査室)