2012年 11月13日
議論尽くし課題処理を

 臨時国会開幕をめぐる社説  
国会運営の覚悟、首相に問う      

臨時国会が10月29日召集され、野田佳彦首相が衆院本会議で所信表明演説をした。首相は、衆参両院の「1票の格差」是正に関し衆院定数削減を含め今国会で「必ず結論を出す」と明言。公債発行特例法案成立に野党の協力を求めた。だが参院では、先の国会で首相問責決議を可決した野党が首相演説、代表質問ともに拒否するという、憲政史上例のない事態となった。解散・総選挙を視野に、波乱含みが予想される政局の展開を約80本の社・論説が取り上げた。 臨時国会が10月29日召集され、野田佳彦首相が衆院本会議で所信表明演説をした。首相は、衆参両院の「1票の格差」是正に関し衆院定数削減を含め今国会で「必ず結論を出す」と明言。公債発行特例法案成立に野党の協力を求めた。だが参院では、先の国会で首相問責決議を可決した野党が首相演説、代表質問ともに拒否するという、憲政史上例のない事態となった。解散・総選挙を視野に、波乱含みが予想される政局の展開を約80本の社・論説が取り上げた。 臨時国会が10月29日召集され、野田佳彦首相が衆院本会議で所信表明演説をした。首相は、衆参両院の「1票の格差」是正に関し衆院定数削減を含め今国会で「必ず結論を出す」と明言。公債発行特例法案成立に野党の協力を求めた。だが参院では、先の国会で首相問責決議を可決した野党が首相演説、代表質問ともに拒否するという、憲政史上例のない事態となった。解散・総選挙を視野に、波乱含みが予想される政局の展開を約80本の社・論説が取り上げた。      人工多能性幹細胞(胞)を作製した山中伸弥京大教授がノーベル医学生理学賞を受賞した。iPS細胞は全身の細胞に変化し無限に増やすことも可能なので、医療を根本的に変えると期待が集まっている。46本の社・論説が受賞を祝福した。 人工多能性幹細胞(iPS細胞)を作製した山中伸弥京大教授がノーベル医学生理学賞を受賞した。iPS細胞は全身の細胞に変化し無限に増やすことも可能なので、医療を根本的に変えると期待が集まっている。46本の社・論説が受賞を祝福した。 人工多能性幹細胞(iPS細胞)を作製した山中伸弥京大教授がノーベル医学生理学賞を受賞した。iPS細胞は全身の細胞に変化し無限に増やすことも可能なので、医療を根本的に変えると期待が集まっている。46本の社・論説が受賞を祝福した。 

参院の演説拒否は愚行      民意無視の高慢な姿勢 民意無視の高慢な姿勢 

《参院不要論》毎日「参院はさきの首相問責決議を理由に本会議開催を参院自民党など野党側が拒み、演説が行われなかった。参院自らが存在意義を否定するような、職責放棄の愚行である」、読売「参院の自民、公明両党などは、先の通常国会で野田首相問責決議を可決した以上、首相を本会議場に迎えられないと主張する。『参院の意思で所信表明を求めなかった。審議拒否ではない』と釈明するが、こんな詭弁(きべん)は通らない。(略)参院が『政争の府』に堕するようでは、ねじれ国会の下でくすぶる『不要論』が加速するのは避けられないだろう」、西日本「野党側は参院予算委員会については開催を求めている。問責決議を受けた首相が出席しなければ、審議に応じるという考えだが、これは国民生活よりも参院のメンツを優先した理屈にすぎない」。

《地に足着けて》神奈川「臨時国会は本来、緊急に法案を審議しなければならない必要があるときに召集されるものであり、政局一色にしてはなるまい。地に足の着いた議論を戦わせるべきだ」、信毎「『ねじれ国会』の現状では、野党の賛成なしに法案は成立しない。首相が本気で手詰まりを打開する気なら、解散を含めて展望を示し、国会運営を円滑に進める覚悟が欠かせない。所信表明でいくら正論を述べても、野党は反発するばかりだろう」、福井「野党側がなすべきは、懸案を処理する中で政策論議を尽くし、政府、与党の矛盾点をあぶり出すこと、各党の対立軸を明確にしていくことだ。『早期解散』を叫ぶだけでは国民の『無責任批判』が高まるばかりだ」、朝日「国会の最も大切な仕事は、何といっても政策論争である。(略)論戦を通じて主張をぶつけ合う。一致できる点は党派を超えて協力する。一致できない点は、次の選挙で有権者の選択にゆだねる。それが、失墜した政治への信頼を取り戻す道でもある」。 

《課題処理》日経「まず赤字国債発行法案を成立させないことには、どのような経済対策を打ち出しても絵に描いたもちになる。首相が赤字国債法案について『政治的な駆け引きの材料にしてしまう悪弊を断ちきろう』と訴えたのは当然である」、山陽「首相は演説で、衆院の『1票の格差』是正は今国会で必ず結論を出すと明言した。社会保障制度の在り方を議論する『国民会議』の早期立ち上げや、公債発行特例法案の成立で野党に協力を呼び掛けた。会期は33日間しかない。与野党の対立で審議を空転させることは許されない」、福島民友「(代表質問の)論戦では、震災と原発事故からの復旧・復興に向けた首相のリーダーシップや取り組みについての質疑もあったが、通り一遍なやりとりにとどまったのは残念だ。被災地は震災後2度目の冬を迎えようとしている。(略)被災地の声をしっかりと受け止めて施策の充実を図るよう与野党双方にあらためて求めたい」、中日・東京「速やかな解散に向け、一票の格差是正や公債法案など喫緊の課題を処理するのは当然としても、消費税増税や原発政策など国民生活に重大な影響がある課題も徹底議論を続けるべきだ。それを怠るのは、立法府の自殺行為である」。   《参院不要論》毎日「参院はさきの首相問責決議を理由に本会議開催を参院自民党など野党側が拒み、演説が行われなかった。参院自らが存在意義を否定するような、職責放棄の愚行である」、読売「参院の自民、公明両党などは、先の通常国会で野田首相問責決議を可決した以上、首相を本会議場に迎えられないと主張する。『参院の意思で所信表明を求めなかった。審議拒否ではない』と釈明するが、こんな詭弁(きべん)は通らない。(略)参院が『政争の府』に堕するようでは、ねじれ国会の下でくすぶる『不要論』が加速するのは避けられないだろう」、西日本「野党側は参院予算委員会については開催を求めている。問責決議を受けた首相が出席しなければ、審議に応じるという考えだが、これは国民生活よりも参院のメンツを優先した理屈にすぎな

解散に向けた道筋示せ      なし崩し的な合意破り 

《そして民意を》産経「所信表明演説からも、野田政権に諸課題をやりこなすエネルギーが残っているとは思えない。国政の停滞を避けるためにも、首相は『近いうちに信を問う』という約束から逃げてはならない」、上毛・日本海など「直近の調査で内閣支持率は29%と発足当初から半減した。(略)『近いうち』解散をめぐる与野党間の応酬に国民がうんざりしている面も見逃せない。政治への信頼を回復するためにも、首相は何らかの形でけじめをつけるべきだろう」、北海道「(代表質問で)首相は『環境整備をした上で判断したい』と答えた。その環境整備とは何なのかを明らかにせず、『やるべきことをやり抜いてから』と抽象論を繰り返した。これではだらだらと政権延命を図っているようにしか見えない。この問題から逃げれば逃げるほど、政治の混迷と国民の不信は深まる。首相は解散・総選挙に向けた道筋を明らかにすべきだ」。(審査室) 

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