2012年 11月20日
財政の崖、融和が課題

 オバマ米大統領の再選をめぐる社説   
アジアの安全維持に期待       アジアの安全維持に期待 アジアの安全維持に期待 アジアの安全維持に期待 アジアの安全維持に期待 

米国大統領選挙は6日投開票の結果、民主党のオバマ大統領が共和党のロムニー前マサチューセッツ州知事を破り再選を果たした。同時に行われた連邦議会選挙では上院は民主党、下院は共和党が過半数を占め、ねじれ現象が続く。オバマ氏2期目の課題などを論じた約60本の社・論説から  臨時国会が10月29日召集され、野田佳彦首相が衆院本会議で所信表明演説をした。首相は、衆参両院の「1票の格差」是正に関し衆院定数削減を含め今国会で「必ず結論を出す」と明言。公債発行特例法案成立に野党の協力を求めた。だが参院では、先の国会で首相問責決議を可決した野党が首相演説、代表質問ともに拒否するという、憲政史上例のない事態となった。解散・総選挙を視野に、波乱含みが予想される政局の展開を約80本の社・論説が取り上げた。 臨時国会が10月29日召集され、野田佳彦首相が衆院本会議で所信表明演説をした。首相は、衆参両院の「1票の格差」是正に関し衆院定数削減を含め今国会で「必ず結論を出す」と明言。公債発行特例法案成立に野党の協力を求めた。だが参院では、先の国会で首相問責決議を可決した野党が首相演説、代表質問ともに拒否するという、憲政史上例のない事態となった。解散・総選挙を視野に、波乱含みが予想される政局の展開を約80本の社・論説が取り上げた。      人工多能性幹細胞(胞)を作製した山中伸弥京大教授がノーベル医学生理学賞を受賞した。iPS細胞は全身の細胞に変化し無限に増やすことも可能なので、医療を根本的に変えると期待が集まっている。46本の社・論説が受賞を祝福した。 人工多能性幹細胞(iPS細胞)を作製した山中伸弥京大教授がノーベル医学生理学賞を受賞した。iPS細胞は全身の細胞に変化し無限に増やすことも可能なので、医療を根本的に変えると期待が集まっている。46本の社・論説が受賞を祝福した。 人工多能性幹細胞(iPS細胞)を作製した山中伸弥京大教授がノーベル医学生理学賞を受賞した。iPS細胞は全身の細胞に変化し無限に増やすことも可能なので、医療を根本的に変えると期待が集まっている。46本の社・論説が受賞を祝福した。 

労働市場改善も追い風       民意無視の高慢な姿勢 民意無視の高慢な姿勢 

《勝因》新潟「オバマ氏は中間層に手厚い『大きな政府』を訴えた。ロムニー氏は規制改革、自由な競争による『小さな政府』を主張した。有権者はどちらを選択するか、世界が注目した。(略)選挙直前に米雇用統計が発表された。10月の失業率は7.9%で前月のほぼ横ばいだったが、就業者は約17万人増加した。本格回復には程遠いものの、労働市場の改善はオバマ氏には追い風になったはずだ」、読売「オバマ氏は、『1期目の任期中に財政赤字を半減する』との公約を実現できなかった。雇用創出も思うように進まず、失業率は8%近くに高止まりしている。それでも再選できたのは、経済再建や安全保障分野での実績がおおむね評価されたからだろう。就任早々に巨額の景気対策を実施し、金融システムを安定させた。破綻した米自動車大手ゼネラル・モーターズ(GM)も救済して、大恐慌に転落する瀬戸際にあった米国を救ったと言える」、毎日「勝因の一つには選挙直前に米国を襲ったハリケーン『サンディ』への迅速な対応が挙げられる。選挙戦を中断して現地入りしたオバマ大統領が被災者を抱擁する写真は米国民の胸を打った」。

《崖と融和》日経「まずは『財政の崖』を回避すべきだ。大型減税の失効や歳出の強制削減が重なり、13年から急激な財政引き締めが始まりかねない。米国だけでなく世界全体の経済を危険にさらすことになる。すべての所得層の減税継続を訴える共和党と、富裕層には増税を求めたい民主党の対立は根深いが、最悪の事態だけは避けなければならない。双方が早く折り合い、合意点を見いだしてほしい」、神戸「選挙戦での中傷合戦が浮き彫りにしたように、米国では今、与野党の対立が深まるばかりだ。オバマ政権が日本の皆保険制度に近い医療保険制度を導入したことをきっかけに、共和党は保守色を強めた。(略)議会も上下両院で多数派が異なる『ねじれ状態』にあり、法案が成立しない状況は日本と酷似する」、中日・東京「融和の成否は、敗れた共和党の対応にかかっている。二〇一〇年の中間選挙で下院を奪回して以来、共和党の戦術は『オバマ再選阻止』で一貫していた。オバマケア(医療保険改革法)の成立をめぐる大統領の強引な議会工作が発端だったとはいえ、予算審議を中心に議事妨害を繰り返し、事実上政府を機能不全に追い込んだのもその一環だ」、朝日「共和党も大統領選で示された民意を受けとめるべきだ。『茶会』のような急進的な主張は、国民的な支持を得ていないことがはっきりした。協調すべきは協調しなければならない」。    《参院不要論》毎日「参院はさきの首相問責決議を理由に本会議開催を参院自民党など野党側が拒み、演説が行われなかった。参院自らが存在意義を否定するような、職責放棄の愚行である」、読売「参院の自民、公明両党などは、先の通常国会で野田首相問責決議を可決した以上、首相を本会議場に迎えられないと主張する。『参院の意思で所信表明を求めなかった。審議拒否ではない』と釈明するが、こんな詭弁(きべん)は通らない。(略)参院が『政争の府』に堕するようでは、ねじれ国会の下でくすぶる『不要論』が加速するのは避けられないだろう」、西日本「野党側は参院予算委員会については開催を求めている。問責決議を受けた首相が出席しなければ、審議に応じるという考えだが、これは国民生活よりも参院のメンツを優先した理屈にすぎな《勝因》新潟「オバマ氏は中間層に手厚い『大きな政府』を訴えた。ロムニー氏は規制改革、自由な競争による『小さな政府』を主張した。有権者はどちらを選択するか、世界が注目した。(略)選挙直前に米雇用統計が発表された。10月の失業率は7.9%で前月のほぼ横ばいだったが、就業者は約17万人増加した。本格回復には程遠いものの、労働市場の改善はオバマ氏には追い風になったはずだ」、読売「オバマ氏は、『1期目の任期中に財政赤字を半減する』との公約を実現できなかった。雇用創出も思うように進まず、失業率は8%近くに高止まりしている。それでも再選できたのは、経済再建や安全保障分野での実績がおおむね評価されたからだろう。就任早々に巨額の景気対策を実施し、金融システムを安定させた。破綻した米自動車大手ゼネラル・モーターズ(GM)も救済して、大恐慌に転落する瀬戸際にあった米国を救ったと言える」、毎日「勝因の一つには選挙直前に米国を襲ったハリケーン『サンディ』への迅速な対応が挙げられる。選挙戦を中断して現地入りしたオバマ大統領が被災者を抱擁する写真は米国民の胸を打った」

「チェンジ」実現の4年に       なし崩し的な合意破り 

《外交・日米関係》西日本「オバマ氏は就任直後に打ち出した同(核兵器なき世界)構想を評価され、ノーベル平和賞を受賞した。最も大きな拍手を送ったのは、被爆国である日本だ。(略)いわば『先物買い』だったノーベル賞に値する実績を、オバマ氏はまだ残していない。『核兵器なき世界』への歩みを着実に進め、次の4年こそ本当に世界を『チェンジ』させてほしい」、中国「世界の空気は非核に向かう方向に変わったが、選挙戦でその議論が聞けなかったのはなぜだろうか。この4年間でも核兵器の性能を調べる新型実験が繰り返された。自己矛盾であることを自覚すべきだ」、北國「オバマ氏は昨年11月、『米国外交の重点はアジア』と宣言した。(略)アジアでは中国の傍若無人な振る舞いが目立ち、軍事的脅威が日増しに高まっている。オバマ氏の外交政策は、日本さらにはアジア諸国の安全を大きく左右する。米国はアジアへの関与を一層強め、この地域の平和維持に努めてほしい。アジアへ着実に軸足を移し、中国の野心を封じる役回りを期待したい」、産経「日本の安全を守り、アジア太平洋の平和と安定を確保していくには、強い米国を求め、『世界の警察官』役の復活を望むだけでは足りない。日本が同盟国の責務をきちんと果たした上で、次期米政権の対アジア戦略の形成・充実の過程に積極的に加わり、日本の国益や主張を反映させていく外交が何よりも大切だ」、琉球「米国が民主主義と人権尊重の価値を世界に築くリーダーを自負するのであれば、沖縄にもその価値を適用すべきだ。米大統領にはその責任がある。(略)オバマ氏には2期目に、ぜひ沖縄県知事とじかに面談して、県民の声を聞いてもらいたい。大統領の理念と価値観で、沖縄の基地問題も着実に『前進』させてほしい」。(審査室)   

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