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総務省「プラットフォームサービスに関する研究会 第三次とりまとめ(案)」 に対する意見

2024年1月17日

一般社団法人日本新聞協会

 日本新聞協会は、総務省「プラットフォームサービスに関する研究会」がまとめた第三次とりまとめ(案)に対して以下の意見を述べる。

 当協会は違法・有害情報対策について、表現の自由の観点から法規制の導入に反対し、プラットフォーム(PF)事業者に自主的な取り組みを求めてきた。とりまとめ案で示された規律はPF事業者の自主的な対応を促す内容で、誹謗中傷など違法・有害情報の流通状況の深刻さに鑑みると導入はやむを得ないと考える。自主的な対応が不十分だった結果、法的規制を招くこととなった事態をPF事業者は重く受け止め、真摯に対応すべきだ。

 対象となるPF事業者や対象となる情報の範囲が限定的に規定されたことは妥当だ。報道機関による公正な取材に基づいた批判・論評と有害な誹謗中傷は明らかに異なる。PF事業者には表現の自由に配慮した対応を求める。

 とりまとめ案が日本語での対応窓口の設置や削除指針の公表を求めた点も適切である。削除申請への対応に限らず、外資系のPF事業者が要請や問い合わせに真摯に対応しないという課題が存在している。利用者への説明責任を十分に果たすとともに、誠実にステークホルダーと向き合うことが欠かせない。また、とりまとめ案では具体的な規律として、削除申請から1週間程度で対応するよう提言している。PF事業者から「表現の自由に著しい影響を及ぼしかねない」との指摘もあったが、個別の事案に向き合い、責任を持って判断することが情報流通を担う事業者の公共的な役割であり、誠実に対応する必要がある。

 とりまとめ案は、PF事業者に対して利用者が投稿の削除を求める「削除請求権」の明文化について、「引き続き慎重に議論を行うことが適当」としている。当協会は表現の自由や国民の知る権利に悪影響を及ぼしかねないとして、慎重な議論を求めてきた。権利の濫用によるデメリットなどを踏まえ、明文化を見送ったことは妥当だ。このほか、罰則付きの投稿削除義務や問題のあるアカウントを停止・凍結させる義務を法的に課すことを「慎重であるべき」とした方針も評価できる。

 生成AIの急速な発展に伴い、健全な言論空間や情報流通に対する懸念がさらに高まっている。PF事業者は情報流通を担う責任を自覚し、健全な言論空間の維持に向け主体的に取り組むべきだ。

以上

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