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放送法施行規則の一部を改正する省令案等に対する意見

2024年8月8日

一般社団法人日本新聞協会

必須業務に関するネット業務の費用の詳細な開示を求めます

 今回の施行規則の改正案では、NHKが必須業務として実施するインターネット業務に関する費用について、「放送番組の配信に係る費用」と「番組関連情報の編集及び配信に係る費用」との非常に粗い区分による記載を求めるにとどまっています。任意業務として実施するネット業務については「コンテンツ制作業務費」や「企画費」などを費用明細表に記載するよう求めており、必須業務についても同水準の詳細な記載をNHKに求めるべきだと考えます。

 任意業務はあくまで必須業務を補完する業務であり、適正な実施を確保するため、費用の詳細な開示は当然だと考えます。必須業務の一部である番組関連情報については、メディアの多元性を脅かすことのないよう競争評価プロセスを経ることが定められました。基礎情報として費用の詳細な開示は当然必要だと考えます。

 NHKのネット業務全体を検証するためにも、費用の透明化は欠かせません。ネット業務に関する費用に関してはこれまで、予算上限に対する高止まりが指摘されてきました。年度ごとに必要な費用を洗い出して検証して予算枠を策定するなど、不断の見直しを求めます。

審査要件として、メディアの多元性、放送との同一性を明文化するよう求めます

 当委員会はこれまで、NHKのネット業務を検証する上で、「メディアの多元性」を重視するよう求めてきました。特殊な負担金である「受信料」を財源とするNHKと、購読料や広告収入等で運営する民間のメディアとは財政基盤が異なり、「公正な競争」は成り立ちえないと考えるためです。番組関連情報について定める「業務規程」の検証でもメディアの多元性を重視する方針が示されました。

 今般示された「任意的配信業務の実施基準の認可に関するガイドライン」では、認可要件の具体的な審査基準として、「市場の競争を阻害しないこと」などが提示されましたが、趣旨をより明確にするため、任意業務の認可要件に、「メディアの多元性確保」を明記するよう求めます。

 あわせて、業務規程の検証に当たっては、NHKと総務省の双方の競争評価プロセスにおいて、「放送と同一の情報内容、同一の価値」を重視する姿勢が示されています。業務規程の検証に関する考え方として、明文化すべきだと考えます。

以上

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