「個人情報保護に関する主な検討課題」に対する意見

平成18年10月20日
社団法人日本新聞協会編集委員会

 日本新聞協会では、「個人情報保護に関する主な検討課題」のうち以下の点について、国民生活審議会個人情報保護部会での検討や見直しを求めたいと考える。

1.総論

(2) いわゆる「過剰反応」について

 2月の関係省庁連絡会議では、各省庁の事業者向けガイドラインの見直しの検討が申し合わせに盛り込まれたが、実際にガイドラインを見直したのは、当時すでに改訂していた文部科学、経済産業、厚生労働の3省にとどまっている。改訂しない省庁は、現場が直面している過剰反応の実態をどの程度調査したのか、あるいはどのような理由で、改訂が必要ないという判断をしているのか明らかにすべきだ。調査をしていない省庁は、まず実態を把握する必要がある。

7.その他

(1) 国の行政機関等の保有する個人情報の取り扱いについて

 2月の関係省庁連絡会議では、「情報を共有するとともに、制度の適切な運用を確保するために必要な検討を行っていく」との申し合わせがなされた。

 しかし、いまだに異動する幹部の最終学歴や生年月日などを非開示とする省庁がある。厚生労働省が医師、歯科医師などの国家試験合格者名を非公表にしたり、国土交通省が耐震偽装事件で元建築士の聴聞内容を非公開にするなど、国民生活にかかわる重要な情報が公開されないケースもある。

 行政の透明性と信頼確保、国民の知る権利に応えるためには、こうした情報は積極的に開示されるべきであり、各省庁はこれまで以上に問題意識を共有して、是正を図る必要がある。

(2) 地方公共団体の取組について

 災害に備える要援護者リストの作成は、多くの自治体で個人情報保護が壁となって進んでいない。内閣府は行政機関個人情報保護法の「本人以外への提供が明らかに本人の利益になるときは提供が可能」との規定を参考にするよう呼びかけているが、法の趣旨が徹底されているとは言い難い。命にかかわる問題でもあり、現状がどうなっているか、今後、ヒアリングなどを行って検証する作業が不可欠と考える。

以上

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