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「裁判員制度」骨格案に対する見解

2004年2月13日

司法制度改革推進本部 殿

日本新聞協会

 裁判員制度についての政府の骨格案(裁判員制度の概要について)が1月29日公表された。同案に対する日本新聞協会の見解を述べたい。

 日本新聞協会は昨年、司法制度改革推進本部事務局から提示された「裁判員制度のたたき台」(原案)に対する見解(2003年5月16日付)で、「報道の自由」を制限する恐れが強い「偏見報道の禁止」規定の全面削除を求め、裁判員等に課せられる守秘義務についても範囲、期限を明確にすべきとした。また裁判員等に対する接触規制については「裁判員等を退いた人までの一律禁止は弊害が多い」と指摘し、裁判員等の個人情報保護についても、すべてを非公開としないよう、さらなる検討を求めた。

 今回の骨格案では「偏見報道の禁止」規定が削除されるなど、当方の主張が入れられた部分もあるが、守秘義務の範囲、期限が明確化されていないことや、過去に裁判員等だった人を接触規制の対象にするなど、日本新聞協会が指摘したその他の部分では、なお不十分な点が多い。今後更に論議を深め是正されることを要望する。

 なお、裁判員制度の順調な実施にからんで、司法制度改革推進本部が先に公表した「刑事裁判の充実・迅速化」の骨格案が、被告人や弁護人に対し、開示された証拠の目的外使用を罰則付きで禁止している点【9 開示された証拠の目的外使用の禁止等 (1) 目的外使用の禁止】についても、「取材の制限」につながる危惧(きぐ)が大きいと考えている。この点も改めて付言しておきたい。

以上

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