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選挙予測報道の規制問題に関する日本新聞協会編集委員会の見解

1993(平成5)年4月8日
第514回編集委員会

 選挙に関して世論の動向を的確に把握し、報道・評論することは、有権者が選挙に対する関心を高め、理解を深めるうえで不可欠であり、それは報道機関の重要な使命である。

 今回、自由民主党は選挙予測報道を規制する条項を盛り込んだ公職選挙法改正案を国会に提出したが、これは報道機関の取材報道の自由を大幅に制約し、根本的には有権者への十分な情報提供を妨げるものであって容認できない。

 自由民主党は昨年も選挙予測報道禁止を立法化しようとし、世論や野党の反対にあって断念した経緯がある。当編集委員会は、昨年6月、この点について「見解」をまとめ、「今後、引き続き選挙報道の規制の動きに重大な関心を持って、その推移を注視する」ことを表明した。

 報道界はこれまでも、選挙予測報道に際し公正かつ慎重な配慮をしており、今後とも報道機関の責務としてその努力を続けていく。こうした自主的配慮を無視して、法で規制することには断固反対する。

 政治スキャンダルが表面化し、国民は政党がどのように誠実に自らの反省を政治改革に具体化するか注視している。この重要な時期に、あえて報道への規制を「改革」の一環に加えようとする姿勢には、強い疑念を覚える。

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