災害時における報道関係車両の取扱いについて(警察庁のガイドライン)、「大規模の報道関係車両の通行確保」に関する確認事項
1996(平成8)年10月22日
第1 基本的な考え方
- 従前、指定地方公共機関に指定されていない報道関連車両については、緊急取材車両を対象に通行の制限から除外すべき車両(除外対象車両)として対応してきたところであるが、
- 阪神・淡路大震災における報道が、被害状況の把握とその後の救援活動等に大きな役割を果たすなど、災害時における報道の社会的重要性が再認識されたこと
- 昨年7月に改訂された「防災基本計画」において、被災者等への的確な情報伝達活動における報道機関の果たす役割が明確にされたこと等を踏まえ、指定地方公共機関に指定されていない報道機関に係る緊急取材車両についても、一定の要件を満たしているものについては、指定地方公共機関に準じた位置付けとし、緊急通行車両として取扱うことと考えている。
- 指定地方公共機関に準じた位置付けとするための要件
- 当該報道機関が災害に関する報道を行うことにより、災害対策基本法第50条第1項に規定する災害応急対策を実施する義務を負うことを明らかにする内容の協定を、当該報道機関と都道府県知事又は都道府県公安委員会との間で締結すること
- 当該車両の通行等が他の指定公共機関、指定地方公共機関等の行う災害応急対策の妨げとならないこと
- 緊急通行車両の確認に関しては、他の指定公共機関、指定地方公共機関等の事前届出状況や地域の交通容量等を勘案し、災害時の交通総量を抑制する等交通管理が的確に実施できるよう、事前届出制度の適正な運用に努める。
第2 留意事項
- 指定公共機関若しくは指定地方公共機関に指定されている報道機関又は、指定地方公共機関に準じた位置づけとするための要件を満たす報道機関が、道路運送事業者等との契約により、日常的に取材用に使用している車両のうち、発災時に緊急取材用の車両として使用すると認められるが、事前に車両の特定が困難なものについては、登録(車両)番号未決定の形で事前届出を行わせた上、発災時に標章等を交付する際、実際に使用している車両の登録(車両)番号を緊急通行車両確認証明書及び標章に記載させる。
- 指定公共機関若しくは、指定地方公共機関に指定されている報道機関又は、指定地方公共機関に準じた位置づけとするための要件を満たしている報道機関が、災害が発生した場合において、正当な理由によりやむを得ず事前届出がされていない車両を緊急通行車両として使用する場合は、腕章・身分証明書の携帯や社旗の掲出等により、外見上も緊急通行車両と認められる車両に限り、交通検問所等において速やかに緊急通行車両としての確認手続きを行い、暫定的に緊急通行車両確認証明書及び標章の交付を行う。
なお、この場合における標章の有効期限は短期間(災害の状況に応じて1~2日程度)とし、有効期限終了後、警察署等へ返還させることとなるが、当該車両について、引き続き災害応急対策に従事する旨の申し出があった場合においては、事前届出がなされている車両のうち標章の交付が行われていないものの台数等を勘案し、緊急通行車両として要件を満たすものについては、緊急通行車両確認証明書及び標章の交付を行う。 - 災害時において、通行禁止等が行われている都道府県以外の都道府県警察本部においても、事前届出がなされている車両のうち災害地に緊急取材車両として赴く必要性が認められるものについては、緊急通行車両確認証明書及び標章の交付を行うこと。
この場合において、標章の交付を行った都道府県警察本部は、当該通行禁止等を行っている都道府県警察本部に標章の交付数を速やかに連絡する。 - 災害地に係る新聞又はロール紙を搬送する車両は、交通規制の例外的な除外対象車両とする。
「大規模災害発生時の報道関係車両の通行確保」に関する確認事項
1996(平成8)年10月23日
この内容を一応の合意とするが、今後、必要に応じて、日本新聞協会と警察庁双方で協議する。