新聞広告クリエーティブコンテスト

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2020年度「新聞広告クリエーティブコンテスト」結果発表

テーマは「広告」

クリエーターの副田高行(審査委員長)、一倉宏、川口清勝、児島令子、照井晶博、服部一成各氏と、日本新聞協会広告委員会の正副委員長が、880点の応募の中から入賞作品を決定しました。(最優秀賞は該当作なし)
このコンテストは、若いクリエーターの皆さまに新聞広告を制作する機会を提供し、新聞広告の可能性を広げてもらうために実施しています。
入賞作品と最終審査に残った作品を、日本プレスセンタービル1階(東京・内幸町)で展示します。また、横浜市のニュースパーク(日本新聞博物館)でも入賞作品を展示します。詳しくは、こちらをご覧ください。


※画像をクリックすると拡大します
※カッコ内は所属、敬称略
[略号凡例]
略号はCD=クリエーティブディレクション、AD=アートディレクション、C=コピー、D=デザイン、Ph=フォト、I=イラスト
優秀賞
受賞者

「もし、あのとき広告できたなら。」
代表=山形孝将(ADKクリエイティブ・ワン)

CD・C= 山形孝将(写真中央)
AD・D= 石原千明(ADKクリエイティブ・ワン/写真右)
D= 澤谷直輝(ADKクリエイティブ・ワン/写真左)

○作品概要と講評
画家ゴッホの存命中に広告があったなら、作品が世間に認められ、不世出の才能を開花させたことであろうと、広告の役割を仮想の世界で描いた作品です。「広告の価値を広告している作品だ」(一倉宏氏)などと評価されました。

○制作意図
生涯、一枚しか作品が売れなかったといわれるゴッホ。もし彼のことが大々的に広告をされていたら、その人生はより報われたものとなり、もっと数多くの作品を残せたかもしれません。そうした想像を通し、「可能性を救う」広告の価値を伝えようと考えました。
広告によって、埋もれていた存在が光を集める存在になる。多くの人にとってかけがえのない存在になる。この仕事は、そうした幸福な出来事を最前線で見られる仕事でもあります。広告は、可能性を救う存在であり続けてほしいと思います。そのために、これからも私たちは努力していきます。

○制作代表者プロフィル
福島県出身。東京大学大学院修了。博報堂を経てADKクリエイティブ・ワン所属。

優秀賞
受賞者

「不要不急に、愛を。」
代表=星聡宏(ADKクリエイティブ・ワン)

CD・C= 星聡宏(写真左)
AD・D= 齋藤正和(ADKクリエイティブ・ワン/写真右)

○作品概要と講評
新型コロナウイルスの影響に苦しむ飲食店や娯楽施設などの関係者が前向きになれるメッセージを新聞広告で届け、文化や芸術が私たちの生活に必要不可欠であることを伝えた作品です。「コロナ禍のタイムリーな視点が盛り込まれており、メッセージ性の強い作品だ」(照井晶博氏)などと評価されました。

○制作意図
広告の役割のひとつに「応援」というものがあると思っています。今いちばん困っている方たちにエールを送れるものにしたいという考えがこの企画の起点です。「不要不急」という言葉でくくられてしまった、たくさんのものたち。それらの応援になるような広告をつくりたいと思い、このメッセージに至りました。

○制作代表者プロフィル
1984年新潟県生まれ。2008年アサツーディ・ケイ入社。

優秀賞
受賞者

「手紙」
代表=後藤花菜(読売広告社)

CD・C= 後藤花菜(写真左)
AD= 黒田夏葉(読広クリエイティブスタジオ/写真右)

○作品概要と講評
ボリュームのある文章で真剣にメッセージを届ける新聞広告の機能を生かし、母親への思いを赤裸々に伝えた作品です。「じっくり読ませる内容で、切り取られた情報が飛び交う現代だからこそ大切な視点ではないか」(川口清勝氏)などと評価されました。

○制作意図
正しさも間違いも分からない2020年の世の中で、日々情報を浴び向き合い続けていると、胸を張って発信できることなんて一つもないのかもしれない、と思うことがあります。そんな中でのいまの私の結論を、最後の一行に集約しました。そしてその一行がうそにならないよう、8000字をひたすら突き進みました。

○制作代表者プロフィル
1993年千葉県生まれ。2016年読売広告社入社。営業局を経て、19年よりCR局所属。

コピー賞
受賞者

「広告支えるマン」
代表=坂口和矢(佐賀広告センター)

CD・C= 坂口和矢(写真左)
AD・C・D・I= 吉岡龍昭(佐賀広告センター/写真右)

○作品概要と講評
新聞の記事下広告を擬人化し、編集面を下から支える構図で、広告が新聞発行に欠かせない存在であることを伝えた作品です。「ユーモラスな熱量ある表現で広告の下支えを伝え、何より絵も言葉も汗をかいてる感じがいい」(児島令子氏)などと評価されました。

○制作意図
今回はテーマが広告だったため、「広告が媒体の下支えになっている」という広告のひとつの側面を新聞紙面で表現しました。入社して数年、広告の営業をされる先輩方の背中を見て、新聞の紙面・記事を支えているのは広告を出していただいているお客様と、日々精力的に活動している営業マンだということに初めて気付きました。本作品では、新聞広告の枠を擬人化することで、私が感じた驚きや発見をそのままダイレクトに伝えています。

○制作代表者プロフィル
1995年佐賀県生まれ。佐賀大学卒。2018年佐賀広告センター入社。営業部所属。

 

デザイン賞

「政府に好き勝手言える国」
守谷直紀(ノン・アソシエーツ)受賞者

○作品概要と講評
コロナ禍で大きな話題を集めた布マスクを題材に、自らの意見を自由に主張できる大切さをタイムリーな視点で表現した作品です。「コロナ禍で閉塞感のある中、表現の自由の重要性を考えるきっかけを与えた」(副田高行氏)などと評価されました。

○制作意図
わが家には6月13日に届いたいわゆる“アベノマスク”。これを日の丸に見立てて、今の日本を象徴できないものか。始まりは、そんな単純な思い付きでした。「サイズが小さい」「届くのが遅い」などと散々ないわれようでしたが、1億枚のマスクを全世帯に配布できる社会というのは実はすごいこと。また、政府に対して好き勝手言えるのも言論の自由が保障されていることの証しです。そんな、普段から当たり前のように享受している恩恵をあらためて考えるきっかけに、この広告がなればと思っています。

○プロフィル
1975年兵庫県生まれ。嵯峨美術短期大学卒。ノン・アソシエーツ所属。コピーライター。

特別賞
受賞者

「おばあちゃんは、あたらしい。」
代表=佐藤恭司(アドビジョン)

CD= 佐藤恭司(写真)
AD・C= シマ・イサキ(アドビジョン)
D= 馬場柚杏(アドビジョン銀座)
D= 沖山哲弥(アドビジョン銀座)
Ph= 石井英

○作品概要と講評
新聞広告から毎日新たな発見をしている元気な老女の姿を通して、広告が日常生活の一部となっていることを表現した作品です。「新聞広告が人々の生活に深く根付いている様子を真摯(しんし)に伝えている」(新聞協会広告委員会)などと評価されました。

○制作意図
私が少年の頃、祖母がよく新聞を広げ、虫眼鏡を使って新聞を見て読んでいました。祖母はとても物知りでした。私は今67歳ですが、週三日働いています。その職場に74歳の先輩がいます。その人がこの写真とてもいいだろうと、一枚の写真を見せてくれました。82歳のアマチュア写真家の作品。先輩と二人でコピーを書き20代の若い人にデザインをしてもらい応募することにしました。若い人が初めて新聞全ページの広告をレイアウト。とても年齢差の大きい作品です。

○制作代表者プロフィル
1953年秋田県生まれ。1985年東急エージェンシー入社。2019年アドビジョン所属。

学生賞
受賞者

「外の世界」
池田愛花(広告デザイン専門学校)

○作品概要と講評
自分の好きな情報だけが存在する閉鎖的な世界と、多くの情報が広告を通じて届く世界を鳥籠を使って表現し、広告が果たす役割の重要性を伝えた作品です。「細い線と広い余白で、外の世界を求める切実さを表現している」(服部一成氏)などと評価されました。

○制作意図
「広告は嫌われている」――新聞、テレビ、雑誌……。さまざまな媒体の中で見たい物の傍らで、そっと潜んでいる広告は主として見られることはありません。しかし、広告をあまり見ず、好きな情報だけを見ていることは鳥籠の中にとらわれているようなものです。小さな鳥籠の外に広がる世界を知ることを意識できるよう、空間を広く取り裏面が透けて見えることを狙って表現しました。

○プロフィル
2002年愛知県生まれ。広告デザイン専門学校広告デザイン科グラフィックデザイナー専攻に在学中。

クリエーター審査委員

副田高行氏
(審査委員長、
アートディレクター)
一倉宏氏
(コピーライター)
川口清勝氏
(アートディレクター)
児島令子氏
(コピーライター)
照井晶博氏
(コピーライター)
服部一成氏
(アートディレクター)

2020年度新聞広告クリエーティブコンテスト 審査会の模様

これまでの受賞作品

2019年度テーマ「新聞」 受賞作品の詳細はこちら

2018年度テーマ「新聞」 受賞作品の詳細はこちら

2017年度テーマ「捨て犬・捨て猫問題」 受賞作品の詳細はこちら

2016年度テーマ「ことば」 受賞作品の詳細はこちら

2015年度テーマ「お金」 受賞作品の詳細はこちら