新聞広告賞

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 日本新聞協会は9月5日、新聞広告大賞を黒田博樹氏の「カープ新井選手引退記念企画『結局、新井は凄(すご)かった』」に贈ると発表した。
 大賞受賞作は、プロ野球の広島東洋カープや米・大リーグで投手として活躍した黒田さんが、カープ時代の同僚だった新井貴浩選手の引退に合わせて地元紙に掲載した個人広告。表面に新井選手のミスを取り上げた過去の新聞記事、写真を並べるとともに、裏面には新井選手をたたえ、ねぎらうメッセージを載せた。ユーモアあふれる広告に二人のほほ笑ましい関係を見てとることができ、多くのファンを喜ばせた。広島のみならず東京でも新聞を求める人が後を絶たず、全国的に話題となった。記事や写真という新聞社の資産を活用したクリエーティブや、新井選手にとって現役最後となった試合の直後という時機を捉えた出稿など、新聞広告の特性を存分に生かしており、大賞にふさわしい作品として高く評価された。
 新聞広告賞は、新聞広告の新しい可能性を開拓した広告活動を顕彰し、新聞と広告の発展に資することを目的に、1981年に設けられた。広告主部門と新聞社企画部門の2部門から成り、新聞紙上で優れた広告活動を展開した広告主、新聞社に贈る。
 贈賞は10月24日(木)、東京・芝公園の東京プリンスホテルで開かれる第62回「新聞広告の日」記念式典で行われる。新聞広告大賞には賞状、トロフィー、メダルが贈られる。
 第39回新聞広告賞には、広告主部門276件(単独広告主275作品、複数広告主1作品)、新聞社企画部門65件(単独企画63作品、共同企画2作品)の計341件の応募があり、新聞広告大賞1件、新聞広告賞10件を選定した。また、広告主部門について17件の優秀賞を、新聞社企画部門について5件の奨励賞を選んだ。
 7月26日開催の新聞広告賞選考委員会で入賞作を決め、9月4日開催の日本新聞協会理事会で承認した。

[新聞広告大賞]1作品

カープ新井選手引退記念企画「結局、新井は凄かった」
黒田博樹氏

【受賞理由】

プロ野球・広島東洋カープや米・大リーグで投手として活躍した黒田博樹氏が、カープ時代の同僚だった新井貴浩選手の引退に合わせて地元紙に個人広告を掲載した。表面に新井選手のミスを取り上げた過去の新聞記事や写真を並べるとともに、裏面には新井選手をたたえ、ねぎらうメッセージを載せた。ユーモアあふれる広告に二人のほほ笑ましい関係を見てとることができ、多くのファンを喜ばせた。広島のみならず東京でも新聞を求める人が後を絶たず、全国的に話題となった。記事や写真といった新聞社の資産を活用したクリエーティブや、新井選手にとって現役最後となった試合の直後という時機を捉えた出稿など、新聞広告の特性を存分に生かしており、大賞にふさわしい作品として高く評価された。

掲載=2018年11月5日、中国に掲載/全15段×2(表裏)、カラー

[広告主部門・新聞広告賞]5作品(広告主名50音順)

2億円事件。お正月働き方改革広告
株式会社幸楽苑ホールディングス

【受賞理由】

働き方改革に注目が集まる中、ラーメンチェーン店にとって売り上げが多い年末年始にあえて休業することを、大みそかに告知した。休業により売り上げが失われることを「2億円事件」という具体的な数字のコピーで表現し、読者の目を引いたうえで、従業員を大切にする企業姿勢を示した。社会的な課題に対する会社の考え方を明確に示した広告はSNSでも話題となり、読者の共感を得た。企業への信頼、親近感を高めただけでなく、従業員のモチベーションアップにもつながり人材採用にも貢献した企業広告として高く評価された。

掲載=2018年12月31日、朝日(東京)、東奥、岩手日報、河北、秋田魁、山形、福島民報、福島民友に掲載/全15段カラー

香害 2点シリーズ
シャボン玉石けん株式会社

【受賞理由】

香り付きの洗濯洗剤や柔軟剤が人気を集める中、香りに含まれる化学物質により体調不良を引き起こす「香害」が増えていることに警鐘を鳴らす広告を掲載した。添加物を使わない石けんを製造・販売する会社からの問題提起は、消費者の共感を集め、香害の実態を多くの人に認識させることに成功した。新しい問題を提示するという新聞の機能を生かすとともに、無添加石けんのパイオニアとして商品づくりへの決意を示した広告として高く評価された。

掲載=2018年6月5日、6月9日、朝日、毎日に掲載/全15段カラー

弊社Wikipediaをいったんそのまま掲載します。
株式会社セブンツーセブン

【受賞理由】

新幹線沿線に野立ての看板広告を展開することで認知度は高まっているものの、何をしている会社なのか知られていない現状を踏まえ、インターネット百科事典「ウィキペディア」を使った新聞広告を掲載し、化粧品メーカーであることを伝えた。ウィキペディアの自社ページをそのまま活用した大胆でシンプルなクリエーティブは、読者に驚きを与えるとともに、ネット上でも話題になった。新聞とネットをうまく掛け合わせ、端的な表現で企業への認知と理解を深めた広告として高く評価された。

掲載=2019年1月7日、朝日に掲載/全15段モノクロ

新元号キンチョール(4月1日)
大日本除虫菊株式会社

【受賞理由】

新元号が発表される当日に、新しい時代にも愛される商品ブランドを目指す企業メッセージを「平成」発表時のスタイルを模して表現した。新元号に最も注目が集まる日に、多くの人の印象に残っているシーンをパロディーにした広告は、読者に大きなインパクトを与えた。掲載日がエープリルフールということもあり、インターネット上で大きな話題となった。企業姿勢をユーモラスな表現でタイムリーに伝えた広告として高く評価された。

掲載=2019年4月1日、日経に掲載/二連版全30段カラー

パンテーン #HairWeGOキャンペーン 就活ver.1 #1000人の就活生のホンネ
プロクター・アンド・ギャンブル・ジャパン株式会社

【受賞理由】

就職活動に励む女性の多くが、画一的な髪型にせざるを得ない現状に、新聞広告で疑問を投げ掛けた。内定日直前と当日に掲載した広告で、就職活動経験者1000人の意見をモザイクアートにして女性を表現、結んだ黒髪からほどいた髪へとビジュアルを変化させた。これまでの習慣に疑問を呈した企業のメッセージは、若い世代の心をつかみSNSを中心に議論を呼んだ。社会への問題提起を果たした優れた企業広告として高く評価された。

掲載=2018年9月25日、10月1日、日経に掲載/全15段カラー

[広告主部門・優秀賞]17作品(広告主名50音順)

◇企業広告「料理は、脳トレ。」 (味の素)
◇顔採用、はじめます。 (伊勢半)

◇松江東高の後輩へ (エードット・噂)
◇「ここは、永遠に完成しない場所。」 (オリエンタルランド)
◇ないないの町だけど (木城町〈宮崎県〉)
◇平成から令和へ (木の屋石巻水産)
◇ベテランコピーライター採用広告 (サイバーエージェント)
◇僕らも郷土の代表だ。(高校野球) (全国農業協同組合連合会)
◇企業広告 「サヨナラ、地球さん。/あとは、じぶんで考えてよ。」 (宝島社)
◇令和も、「いま」を語ろう。 (Twitter Japan)
◇2019年新年企業広告 (富山ダイハツ販売)
◇大坂なおみ選手 優勝広告シリーズ (日清食品)
◇100年家族新聞 (パナソニック)
◇ヤング北日本 (ファーレン富山)
◇Me and Honda「新聞配達員への手紙」 (本田技研工業)
◇詳しくはWEBで。ヤフー新元号号外ジャック (ヤフー)
◇横浜DeNAベイスターズ 70周年 (横浜DeNAベイスターズ)

[新聞社企画部門・新聞広告賞]5作品(会員名簿順)

海の声新聞
東京新聞 広告局

【受賞理由】

プラスチックごみが世界中の海で深刻な汚染を引き起こしている問題を、海岸にサンドアートで描いた新聞で伝えるという奇抜な発想の広告を「ごみゼロの日(5月30日)」に掲載した。巨大な砂の紙面は海からの声なき声を代弁し、多くの人の注目を集めた。11日間に及ぶ制作過程がわかるメーキング動画にもアクセスが集中した。新聞の信頼性、ジャーナリズム機能を生かした取り組みは、多くの企業の協賛につながった。圧倒的なスケール感で新聞が持つメッセージ性を発揮した広告として高く評価された。

掲載=2019年5月30日/二連版全30段、全15段、カラー

「広告事例」掲載ページ
定年GO!
河北新報社 営業局

【受賞理由】

「人生100年」時代が現実となりつつある中、定年退職を迎える読者の今後の夢を新聞社が応援する企画に取り組んだ。新聞が強く訴求できる50代、60代に向けて、現在の職業と定年後の夢を見開きページで対比できる企画は、多くの広告主から共感を得た。勤労感謝の日に合わせ、お風呂で読める「入浴剤新聞」を製作し、PR動画をインターネットで公開するなど、新聞広告を起点として他媒体にも立体的に展開した。少子高齢化が進む中、定年後の人生を前向きに捉えられるよう読者を勇気付けたことが高く評価された。

掲載=2018年6月25日、6月29日、7月1日、10月16日、10月27日/別刷り(12ページ)、全15段、全5段、カラー・モノクロ

「広告事例」掲載ページ
おくる福島民報
福島民報社 東京支社

【受賞理由】

東日本大震災から7年経過後も、福島県外に避難したまま地元に帰れない人々が多くいる中、「福島県民の日」の8月21日に、故郷の情報を届ける広告企画を実施した。福島の今を伝える新聞にメッセージを書き、折りたたんで投函(とうかん)すると、県外で暮らす県民に手紙となった新聞が届けられる仕組みにした。避難生活を余儀なくされる人々が、手紙を受け取ることで里帰りしたかのような気持ちになれる企画は、紙媒体の特性を生かした取り組みとして高く評価された。

掲載=2018年8月21日/ラッピング、カラー

「家族のはなし2018」家族の言葉新聞
信濃毎日新聞社 広告局

【受賞理由】

家族が集う年末に、身内であっても言葉にできないことがあることを伝え、家族についてあらためて考えるきっかけを提供する企画を展開した。表面は家族間の短い言葉のやり取りのみで、裏面に反転させた鏡文字で言葉にできない隠された思いを表現した。正面からは言いにくいことを伝える表現方法として、新聞の裏写りを利用したクリエーティブは読者の胸を打ち、感動を呼んだ。家族の大切さを見つめ直すきっかけを、さまざまな形で継続して提案する広告企画として高く評価された。

掲載=2018年12月29日/別刷り(12ページ)、全15段、全5段、カラー

「広告事例」掲載ページ
熊本城復興支援キャンペーン
熊本日日新聞社 業務推進局

【受賞理由】

2016年の熊本地震の被災から徐々に復興していく熊本城の様子や、城の修復に携わる人々を紹介する広告キャンペーンを展開した。定点撮影した城の写真を毎月掲載し、その時々の姿を読者に伝えた。熊本城に関連する「かるた絵コンテスト」を小中学生を対象に実施したり、紙面を英訳して県内外の施設で配布したりするなど、子供や外国人など幅広い層にアプローチした。城の復興状況を丁寧に伝えることで、地元の人々に勇気を与えるとともに、県民全体で支え合う機運を高めたキャンペーンとして高く評価された。

掲載=2019年1月31日から5月31日(継続中)/全60段、全45段、二連版全30段、全15段、カラー

[新聞社企画部門・奨励賞]5作品(会員名簿順)

◇東奥日報創刊130周年記念・目指せ!健康・長寿「短命県返上」 (東奥日報社 広告局)
◇岩手県民298人で紡いだ「雨ニモマケズ」 (岩手日報社 広告事業局)

◇夜の避難訓練 (福島民報社 東京支社)
◇未来の富山キャンペーン THE MESSAGE #今、伝えたい。未来のために。 (北日本新聞社 営業局)
◇京都新聞創刊140年記念「日本人の忘れもの知恵会議」~次世代へのメッセージ~ (京都新聞社 京都新聞COM営業局)