IPI、報道の自由の英雄を顕彰
国際新聞編集者協会(IPI)は8月31日、中東の衛星テレビ、アルジャジーラのシリン・アブアクラ記者と中米エルサルバドルのオンライン媒体・エルファロ創設者のカルロス・ダダ氏に「ワールド・プレス・フリーダム・ヒーロー賞」を授与すると発表した。
アブアクラ氏はイスラエル占領下のパレスチナ報道に記者人生を捧げてきた。5月にイスラエル軍とパレスチナ人の間で発生した衝突取材中に射殺された。エルファロは中米のオンライン媒体の先駆けの一つで、質の高い調査報道により高い評価を得ている。
ワールド・プレス・フリーダム・ヒーロー賞はIPIが2000年に創設。身の危険に直面しながらも報道の自由に顕著な貢献をしたジャーナリストをたたえる。
https://ipi.media/shireen-abu-akleh-and-carlos-dada-named-2022-ipi-ims-world-press-freedom-heroes/
IPIは9月1日、ウクライナのメディア「キーウ・インデペンデント」など独立6媒体と地域メディア開発庁(ABO)に「自由メディア・パイオニア賞」を授与すると発表した。ロシア軍の侵攻がもたらす危険に勇気をもって真正面から立ち向かい、地域社会が必要とする質の高い報道を提供したことが評価された。
キーウ・インデペンデントはロシアによる侵攻が始まる3か月前に、経営者による編集への介入に抗議して「キーウ・ポスト」を辞めた元記者が創刊した。同国の主要な英語媒体に成長し、ウクライナ侵攻に関する不可欠な情報源となっている。
同賞は1996年創設。ジャーナリズムの革新的なモデルや報道の自由擁護を通じ、時代の要請に応える機関に授与される。両賞とも現在はデンマークに本部がある国際的なメディア支援団体と共同で授賞している。
IPIは米コロンビア大学で開く世界大会期間中の9日、両賞の授賞式を開く。
https://ipi.media/seven-ukrainian-media-outlets-to-receive-2022-free-media-pioneer-award/
(2022年9月8日)