IPI、ウクライナ侵攻1年で米WPに全面広告
ロシアのウクライナ侵攻から2月24日で1年がたった。昨年3月1日にはウクライナの首都キーウのテレビ塔が攻撃を受け、同国テレビ局のカメラマンが報道関係者として初めて犠牲になった。国際新聞編集者協会(IPI)は今年3月1日、米紙ワシントン・ポストに全面広告を出稿。家を追われたり、オフィスがロケット弾の標的となったりする危険に直面しながらも取材を続けるウクライナの記者との連帯を訴えた。
IPIは2月24日付ワシントン・ポストに出されたメディア8団体による全面広告にも名を連ねた。広告は勇敢なウクライナ記者との団結を呼び掛けている。
https://ipi.media/ipi-solidarity-ad-campaign-with-journalistsinukraine/
IPIなどの報道6団体で組織するMedia Freedom Rapid Response(MFRR、「メディアの自由に関する迅速な対応」の意)は2月24日、侵攻を非難する声明を出した。安全へのリスクを冒して取材する記者らへの連帯を続け、殉職した人々を記憶にとどめるとした。
MFRRは欧州連合(EU)加盟国と候補国の報道の自由侵害事例を注視する組織。欧州委員会の財政支援を受けている。2022年3月からはウクライナも注視の対象としている。
https://www.mfrr.eu/ukraine-call-for-continued-solidarity-and-support-for-journalists-covering-the-war/
https://ipi.media/ukraine-steadfast-solidarity-and-support-for-journalistic-community-on-war-anniversary/
IPIは2月22日、ウクライナメディアの編集幹部4人がこの1年間を振り返る動画を公開した。登場するのはキーウ・インデペンデント紙編集長のオルガ・ルデンコ、同紙動画責任者のアンナ・ヤクテンコ、非営利の調査報道組織「Slidstvo.Info」編集長のアンナ・バビネッツ、ネットメディア「ウクライナ・プラウダ」編集長のセブヒル・ムサイエバの各氏。ルデンコ氏は最初の数日、数週間ではなく今の方がつらいと述べた。世界の注目を集めているときは乗り越えられたが「今は短距離走ではなくマラソンだと悟った」と心境を語っている。
https://ipi.media/one-year-later-ukraines-courageous-journalists-adjust-to-new-reality/
(2023年3月9日)