「メディアにおけるAI憲章」策定へ
国境なき記者団(RSF)は7月27日、国際的なメディア団体と協力して「メディアにおけるAI憲章」を策定する委員会を設けると発表した。急速に発展する人工知能(AI)が情報の信頼性にとり大きな脅威となっていることから、情報の専門家がAIを利用する際の原則、権利、義務を年内にまとめる。
ノーベル平和賞受賞のマリア・レッサ氏(フィリピンのインターネットメディア「ラップラー」創業者)を委員長とする委員会は13か国21人で構成する。米コロンビア大学のエミリー・ベル教授や英ロンドン・スクール・オブ・エコノミクスのチャーリー・ベケット教授など著名なジャーナリズム研究者が委員に名を連ねる。世界ニュース発行者協会(WAN-IFRA)や国際新聞発行者協会(IPI)もパートナー団体として協力する。
世界中のメディアグループがここ数か月の間に、AI利用の指針を策定している。しかし、生産性向上と読者増のための巨大な経済的誘因を考えると、各メディアが情報の信頼性について慎重で合理的なアプローチをとることはないとの懸念から、RSFはAI時代のメディア共通の根本原則を策定する必要があるとした。
(2023年8月9日)