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2013年 11月12日
長寿へ、意識高めたい
陸奥「目指せ!! 短命県返上」
厚生労働省が5年ごとに公表している都道府県別生命表によると、2010年の青森県の平均寿命は男性77.28歳、女性は85.34歳だった。男性は1975年、女性は2000年から連続して最下位だ。なぜ青森県民は短命なのか。10月7日から計5回の連載で背景を探るとともに、〝脱短命県〝に向けた課題や地域独自の取り組みを追った。
高齢者だけでなく子供や働き盛りの40~50代でも、他県より亡くなる人が多い。平均寿命が男女共に最も長い長野県に比べ、働き盛りの世代の死亡率は1.6~2.1倍に達する。喫煙率、多量飲酒率、食塩摂取率、肥満者率の高さが原因だ。生活習慣が悪いと実年齢より体が老化し、がんや脳卒中、心筋梗塞などの生活習慣病を誘発しやすい。受診が遅く、早期に対応できず死に至るケースも多い。
10年度の特定健康診査(メタボ健診)の同県の受診率は、全国平均43.2%に対し、35.0%にとどまる。特に、国民健康保険加入者の受診率が低く、県平均は30%に満たない。弘前市は21.9%。対象者側の意識を高めることが課題だ。
各自治体は受診率アップに向けた取り組みを進めるとともに、受診後の保健指導にも力を入れる。板柳町は11年度から、生活習慣の改善が必要な町民を対象に無料で「健康がってん塾」を開講。町が運営する板柳中央病院と連携し、生活習慣病などの知識を深めながら健康状態の改善を目指す。厚労省の調査によると、同町の平均寿命は男性で前回(05年)統計と比べ2.2歳、女性で1.6歳延びたという。
取材・執筆は、「若い人も他県に比べ早く亡くなる率が高いことを、県民に知ってほしかった」と話す山本恵子記者ら3人。知ることによって、周りの大切な人に長生きしてほしいとの意識が根付き、行動につながることを期待している。(菅)