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2014年 1月28日
足元の魅力、再認識しよう
山形「やまがた観光復興元年」
温泉、スキー、雄大な自然、米沢牛やサクランボなどの豊かな食材―。観光資源に恵まれた山形県だが、観光産業は東日本大震災と福島第一原発事故による風評被害の影響が大きく、今も客足は戻っていない。東北六魂祭などの大型イベントが行われる今年を絶好の機会と捉え、復興への道筋を探る。
元日のプロローグに続き、3日から第1部「逆境を乗り越える」が始まった。スキー人口の減少や、個人旅行の割合の増加に伴うニーズの多様化など、数多い逆境の中、困難に負けず観光客を呼び込む地域や人々を取り上げた。
3回にわたりスポットを当てたのは、県南部の飯豊町中津川地区。豪雪地帯で高齢化が進む限界集落だが、国内だけでなく台湾からも観光客が相次いでいる。スノーモービルなどによる雪遊びや民家への宿泊体験が目的だが、中津川地区が他と一線を画すのは、住民の心からの交流と熱意だ。旅行会社の担当者は「一番の魅力は人」と分析する。
米沢市の小野川温泉でも、畳屋といった観光と関わりのない事業者や住民が参加し、地域ぐるみで観光客をもてなす。連載は小野川のまちづくりを「ソフトからハード、そしてハートも加えた取り組み」と表現する。
連載を担当する報道部の橘拓デスクは「何もないと言われる所でも、頑張っている人たちがいる。足元の魅力を再認識しようと伝えたい」と語る。1年間の連載で、大型イベントがもたらした成果や課題なども取り上げる考えだ。
写真にもこだわった。連載で写真を担当する板垣耕一記者による元日号の飯豊町の風景は、冬の山形では珍しい見事な晴天だ。人々を撮る際も、自然な表情を引き出そうと撮影に時間をかけた。報道部の坂本由美子記者、米沢支社の阿部研一記者らが執筆している。(三)