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2014年 10月28日
地域が親しむ環境を醸成へ
十勝毎日「スポーツの力」
十勝はスピードスケートが盛んな地域。今年2月に開かれたソチ冬季五輪大会に、ゆかりの7人が代表選手に選ばれたことも記憶に新しい。一方、子供たちを中心に、スピードスケートをはじめ多くのスポーツで競技人口が減っている。連載を統括する横田光俊編集デスクは「地域でスポーツが親しまれているのか疑問があった。スポーツは本来、子供から老人までが気軽に楽しみ、コミュニティーを形成する力がある。スポーツを取り巻く環境の向上に貢献したいと考えた」と、スポーツを年間テーマに据えた狙いを語る。
第1部は、ソチ五輪を前に、スピードスケートをはじめ競技環境の現状などを伝えた。2009年に十勝に誕生した国内2例目の屋内スケートリンクは、財政難などで計画推進が困難になった北海道に代わり、帯広市が建設主体となった。資金集めは難航したが、地元の理解、国や道の支援などさまざまな要因が重なって開設することができた。
学校やスポーツ施設における子供たちへの指導の実情を追った第2部は、本格的な競技経験がないものの、指導者としてバドミントンのトップ選手を数多く輩出するまでになった教員らを紹介した。指導者個人の熱意に依存している現状を指摘し、地域で人を育てることの必要性を訴えた。
第3部は、用具製作者やスポーツ専門店、後援企業の思いを紹介。裏方としてスポーツを支えている人たちに光を当てた。
第1、3部の取材に携わった宮木宗久記者は「スポーツをやっていない人たちに、その良さを知ってほしいという思いがあった。試合の勝ち負けだけでなく、地元の人とスポーツとの深い関わりを伝えられたのではないか」と話す。
11月上旬から始まる第4部は、働き盛りの世代や貧困層の子供らがスポーツを始められる環境づくりを考える。(梛)