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2014年 11月4日
県内女性議員の少なさ問う
北陸中日「黙らない 議会に女性を」
連載開始当時、石川県の女性県議は1人、市・町議会を合わせても計24人で議員総数の1割にも満たなかった。企画デスクの中山洋子報道部記者は連載のきっかけについて、「来年3月の統一地方選を前に女性議員の少なさや、それが当たり前になっている状況を地域に問題提起したいと考えた」と話す。
北陸には「女は黙っていろ」という風土が今でも残り、女性が表に立つことをよしとしない風潮があるという。6月28日から展開した第1部(3回)は、女性議員数が全国ワースト4の県内の議会と過半数を超える他の地方議会の現状、女性議員の割合が世界一となったルワンダの女性たちの活動を紹介。7月9日からの第2部(同)は石川県初の女性議員らの試行錯誤などを取り上げた。
議員という仕事と家事や子育てを両立していけるのか、子供のためを考えたらキャリアを断念すべきなのではないか―。人生の岐路に立ち、悩みながら議員を続けてきた県内の女性議員の言葉は、記者自身の葛藤とも重なった。報道部の小室亜希子記者は「自分と共通点がたくさんあった」と振り返る。
一方、大阪府島本町や神奈川県大磯町は女性議員が過半数を占める。女性議員がのびのびと活躍する大磯町に対し、島本町は取材当日こそ丁々発止の議論が展開されたが、普段は男性議員のヤジも多く旧態依然としているという。小室記者は「単純に数が増えればいいわけではない。女性議員の立場は過渡期にある」と指摘する。
都議会のヤジ問題や女性2閣僚の辞任問題も連載の取材中に起きた。女性議員をめぐる問題は普遍的な課題だ。
10月26日から始まった3部では、安倍政権が掲げる「女性活躍」をテーマに、さまざまな分野の現状から問題提起する。(愛)