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2014年 11月25日
街づくりを多角的に考える
千葉「マクハリ25年」
首都機能分散の受け皿として、未来型都市をコンセプトに開発された幕張新都心(千葉市)。機能別に整然と区画された街は、人工都市の壮大な実験でもある。
街の顔である大規模展示場「幕張メッセ」では全国的に知名度の高いイベントが数多く開かれる。メディアへの露出も多く、ディズニーランドのある浦安、国際空港を擁する成田とともに、千葉県民が誇る街の一つだ。
その誕生から25年の節目に、街の現状と課題、未来像を考える連載を、10月24日から7回にわたり展開した。
問題を多角的に取り上げるため、千葉市政部と政経部の合同取材で取り組んだ。取材班5人の中心となった千葉市政部・平口亜土記者は「それぞれの得意分野を生かして総合的に分析し、充実した連載にできた」と語る。
海の見える街づくりのために防災林をできるだけ伐採したい千葉市と、それに消極的な千葉県という、行政の中に温度差のあるテーマも。東日本大震災以来クローズアップされる「景観と防災」の矛盾だ。
街づくりを考える契機を読者に提供した。「初めて巡りづらい街だという問題に気付いた。記事にあった、行政による貸し自転車の取り組みも知らなかった。もっとPRすればいいのに」(幕張を訪れた県内他都市の読者から)などの反響があったという。
住宅地区整備をテーマにした連載最終回は、開発事業者を募集する前の水面下の動きを取り上げた。関係者の口が重く、取材は苦労した。意外な気付きもあった。三井アウトレットパークやイオンモールなどの商業施設を取材したところ、予想と異なり、競争より相乗効果が強く意識されていた。平口記者は「全国各地と同様、三井とイオンの『威信をかけた戦い』があると考えていたが、切り口を練り直した」と振り返った。(洋)