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2015年 5月12日
ネットトラブルへの対応は
山陽「子どもが危ない―深刻化するネットの闇」
教師や保護者の知らないところで、子どもたちのネット空間が広がっている。昨年2月から、県内の小中高校生を取り巻くネット利用の実態を連載。Ⅰ・Ⅱでこれまでに計73回展開している。きっかけは学校裏サイトやネットいじめ、出会い系サイトの実情に迫った2008年の連載「ネット汚染 迷走する子どもたち」だ。
以前の連載時から、子どもとネットの問題を取材してきた報道部の大橋洋平記者は「子どもを取り巻くネット環境は年々複雑化している。大人が追いつくのが大変な状況だ」と指摘する。
3月に掲載したⅡの第3部「学校現場の模索」では、ネットでのトラブルへの対応に揺れる教師らの苦悩や試行錯誤を取り上げた。ネットにかかわる問題は見つけにくく、従来の生徒指導の経験だけでは対応しきれなくなっているという。
近年、学校現場の取材が難しくなっているが、大橋記者は「取材の趣旨を話すと、多くの先生が協力してくれた。子どもたちが今どんな状況にあるのか、実情を知りたいという現場の切実な思いを感じた」と話す。
小学生が無料通信アプリLINE(ライン)で仲間外れにされたり、誹謗(ひぼう)中傷されたりするといった問題も珍しくない。記事にする際は細かいニュアンスにも気を配り、子どもたちに確認しながら書いたという。大橋記者は「子どもたちの本心に迫るのは大変だった。信頼関係を築くのに腐心した」と振り返る。
取材を通して問題解決のために重要だと感じたのは「子どもたちと一緒に考えること」だ。連載をきっかけに山陽は昨年11月から、県内の中学生有志がスマートフォン(スマホ)・携帯電話の適切な使い方を考える「ОKAYAMAスマホサミット」を主催。今月24日に成果報告会を開く。(愛)