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2016年 2月23日
パラリンピック前に理解深める
千葉「はばたけ世界へ―ちばの障害者アスリート」
国内の障害者スポーツは福祉としての側面が強く、競技と捉えられていないと感じる選手や指導者もいるという。2020年の東京パラリンピックでは、シッティングバレーボールや車いすフェンシングなど4競技が千葉県内で行われる。
社会部の佐藤大介部長は「リオや東京パラリンピックを前に県内の若いアスリートたちに光を当て、障害者スポーツへの理解を深めたいと考えた」と狙いを話す。
1月4日から計4回連載。車いすバスケットボール、重度脳性まひ者らのために考案されたボッチャや障害者水泳など4選手を3人で取材した。花村愛弓社会部記者は、どの選手も明るく、抱いていた障害者のイメージとは違ったと振り返る。
バタフライが得意種目の森下友紀選手は、生まれつき左腕のひじから先がない。「でも、できないのは鉄棒とあやとりだけ」。花村記者は森下選手の「障害者というけれど、『害』だと思ったことは一度もない」との言葉が強く印象に残っている。「取材した選手たちは皆、『障害は個性。つらいことではない』と話した。先入観を持って取材していたかもしれないと反省した」と打ち明ける。
取材を重ねるうちに「障害者」という言葉にも違和感を覚えるようになった。「誰が健常者で、どこからが障害者なのか。メディアが報じることで、障害者像を作ってしまうのではないか」との葛藤もあった。
佐藤部長は「必要以上に配慮したり萎縮したりすることなく、選手たちのありのままをストレートに伝えるように」と助言した。
県内の企業では、障害者雇用が進んでいない面もある。花村記者は「苦しい状況にある人がいるのも事実だ。今後も障害のある人たちへの取材を継続し、問題提起していきたい」と話した。(愛)