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2016年 3月29日
課題解決へ連携する人を描く
茨城「つながる」
価値観が多様化する社会の中で、人々は何を求めてつながるのか―。第1部は「地域」をテーマに、地元の大学生が中心となって運営する大洗町のカフェや、若者が共同生活を送りながら地域交流の拠点となる日立市のシェアハウスなど県内各地の事例を取り上げた。自治会組織を再生しようとする町内会の取り組みや小学校間の県外との交流も紹介する。
斎藤敦報道部長は「個人や個々の考え方が尊重される風潮の中で、さまざまな課題を克服しようと連携する人たちがいることを伝えたかった」と説明する。2月16日から計8回連載。支社局を含む8人の記者が取材した。
斎藤氏は「『つながる』とはさまざまに受け止められるテーマなので、記者たちと問題意識やイメージを共有することに時間をかけた」と話す。事例は記者が地域の小さな変化を見逃さず、日々の取材の中から掘り起こした。特に若者と地域のつながりを中心に取り上げたという。大洗町の「ほげほげカフェ」は、東日本大震災の復興支援をきっかけに茨城大の学生らが中心となって運営する。水戸支社の成田愛記者が、普段シャッターが降りている場所がにぎわっているのを見つけ取材した。「地域の中で大学生が観光客と地元住民の接着剤の役割を果たしていた」と振り返る。
小野寺晋平記者は水戸出身の八幡製鉄所技術者・沼田尚徳を縁に文通を始めた水戸と北九州の小学校間の交流を取材した。北九州では有名な沼田が県内ではあまり知られていない。交流は北九州市出身で常総市在住の男性が、沼田の存在を知ってもらいたいと情報提供したことから始まった。小野寺記者は「きっかけさえあればいろんな広がりがあることが見えてきた」と話す。
第2部では高齢者の認知症対策を軸にしたつながりに光を当てる。(愛)