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2016年 7月5日
生き方から地域の魅力再発見
岩手日日「ハンサムウーマン・わたし流」
地方の人口減少が進み地域の活力が失われていく。活性化に向けたさまざまな取り組みも、道のりは険しい。一方、移住やUターンで地域に根を下ろし、活性化への思いを持ちつつ「わたし流」の生き方を模索する女性もいる。
こうした女性を「ハンサムウーマン」と捉え、「彼女たちの生き方を通じて、読者にも地域の良い点、魅力を再発見してもらいたい」。連載第3部「『ここ』に根を下ろす」(6月8日から7回)を統括した報道部の増子智絵美記者は語る。
連載は、仕事や活動を紹介するだけでなく、その女性の思いや人間性に焦点を当てる。米オレゴン州出身のアンナ・トマスさん(31)は、奥州市で次世代大型加速器「国際リニアコライダー(ILC)」の東北誘致に向け海外に情報発信する仕事に携わる。小学生の頃、日本人大学生のホームステイ受け入れをきっかけに、日本への関心を持った。
大学在学中、東京の大学に半年間留学。2度目の来日では、英語を話す外国人が身近にいると「日本語を覚えなくなる」とあえて岩手での生活を選んだ。今はILC誘致に向け、地域での生活を含め、世界の研究者に情報を発信する。日本人男性と結婚し「治安が良く住みやすい」日本で生涯を過ごすことも考えている。
アンナさんを取材した水沢支社の佐藤隆弘記者は「とにかく日本が好きで、日本語を一生懸命学んだ人。外国人にも快適な国際的なまちづくりという彼女の思いを読者に伝えられれば」と語る。
連載は第1部「現場に入る」、第2部「地域の魅力を発信する」に続く第3部で終了した。子育て支援、ワークライフバランスなど、働く女性を巡る課題は多い。増子記者は、今後もハンサムウーマンの取材に取り組みたいと言う。(有)