2016年 10月4日
誘客のヒントを留学生と探る

福島民友「Visit Fukushima 外国人の目」

 各地で訪日外国人観光客(インバウンド)の呼び込みが盛んだ。しかし、福島県は原発事故の風評被害で旅行者の数が伸び悩んでいる。

 県内に住む留学生の協力を得て、外国人の心を捉えるためのヒントや新たな魅力を探った。9月18日付から28日付まで8回連載。統括した加藤隆史報道部主任は東京五輪に向け「県民、観光関係者、行政関係者に役立つ情報を届けたいと考えた」と狙いを語る。

 記者が県在住の留学生と観光スポットを回った。留学生の国籍はミャンマー、中国、タイ、ベトナム、米国とさまざま。外国人の目に福島がどう映っているのか語ってもらうには、ある程度日本語ができる留学生が適任だったという。

 いわき、郡山、会津若松、県北を2回ずつ取り上げた。取材コースは記者が設定した。所要時間は6時間程度で、見るだけでなく、体験できる要素を必ず入れた。留学生たちは足湯に戸惑い、釣ったアジをその場で調理する光景に驚く。伝統玩具に絵付けをする体験では緊張を隠せなかったが「職人さんは怖くなかった」との感想も。

 取材後には、「英語の案内表示がほしい」「地元ガイドの説明はネットよりはるかに面白い」「『頑張ろう福島』より『ウエルカム福島』の方が、歓迎されているようでうれしい」などの意見が出た。日本人が気付かない視点に、記者も驚かされたという。

 紙面にはアメリカのコミックを意識した黄色のワッペンを配した。毎回、留学生から見た良い点、改善すべき点を「Point」として列記した。訪日観光客を呼び込むためのビザの緩和要件なども「ひとくちメモ」で解説した。

 東京五輪・パラリンピックまであと4年。「新聞にできることはたくさんあると思う」と加藤氏は語った。(有)

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