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2017年 4月11日
名産品の知られざる歴史
中国「ひろしま解体新書 第6部 もみじまんじゅう」
世界遺産の島・宮島(廿日市市)の銘菓「もみじまんじゅう」は明治後期に生まれた。1980年代、漫才コンビB&Bのギャグにより全国に知られるようになった。しかし、その起源や歴史は意外に知られていない。
昨年4月から始めた広島の伝統や文化、産業を解き明かす連載企画の一つとして、お好み焼き、造船などに続き取り上げた。山瀬隆弘西広島支局長が取材し、3月14日から5回連載した。
「起源を探るのには苦労した」と山瀬氏は明かす。もみじまんじゅうは宮島を訪れた伊藤博文の一言から生まれたとの定説があった。しかし、ある取材先で「その話は創作らしい」と耳にする。
製造業者一人一人のもとに足を運び起源を尋ねた。1906年ごろ、宮島の菓子職人が作ったという。鉄道が開通し宮島を訪れる人が増え始めた時代、島ならではの菓子を求めた老舗旅館の意向がきっかけになったことなども紹介した。
製造業者は宮島に17。全県では100を超える。島内の業者は競い合う一方、情報交換で味の向上を目指す。卵や製造機の仕入れ先が同じになるまでに至ったという。手焼きにこだわる業者もあれば、自動化した機械で1日10万個を量産する島外の大手業者もある。
クリームやチョコレートを入れたもの、生地に抹茶を練り込んだもの、生や揚げたものなどバリエーションは豊かだ。広島修道大の「シューダイもみじ」やマツダの「ロードスター100万台記念もみじ」といった限定コラボ製品も登場した。
小さな業者にも取材を重ねたことで、取材先から好意的な反応を得た。「漫才のギャグで全国的に有名になったのは確かだが、小さな島で創作し、工夫を重ねてきた関係者みんなの歴史も振り返ることができた」と山瀬氏は語った。(有)