- トップページ
- 新聞協会報・地域を伝える(旧・記者駆ける)
- 理解深め担い手の裾野広げる
2017年 5月30日
理解深め担い手の裾野広げる
千葉「ちばの障害者スポーツ 東京五輪まで3年」
東京パラリンピックは2020年8月25日に開幕する。シッティングバレー、ゴールボール、パラテコンドー、車いすフェンシングは千葉市の幕張メッセが舞台となる。5月5日付から3回連載で、競技の理解促進を図る取り組みや、選手不足に悩む競技団体の声、指導者養成の動向などを報じた。政経部の高橋律孝、五嶋悟の両記者が取材した。
障害者スポーツへの誤解は多い。シッティングバレーは肩から尻の一部を床に付けプレーする。しかし体育館側から「車いすで床が傷つくと困る」と物言いが付くことがある。
県や競技団体は、理解促進のため体験会に力を注ぐ。4日には印西市で合宿中のゴールボール日本代表候補たちが、地元中高生ら25人に競技を手ほどきした。初体験するスポーツの難しさ、面白さに歓声が上がった。
高橋記者も「実際に見るとイメージが変わる」と実感したという。車いすフェンシングは、剣先が相手のひじに届く距離で間合いを固定し、上半身と腕を使い対戦する。「独特の駆け引きや瞬発力が要求される。取材して初めて分かった魅力も多かった」
パラテコンドーは2年前に日本に入ってきたばかり。理解促進以前に、選手が集まらない。県テコンドー協会会長は、障害者とのマッチング支援があるとありがたいと記者に語った。
普及には指導者の育成も欠かせない。県障がい者スポーツ協会が手掛ける初級の指導員養成講習には昨年度、前回の倍近い80人の応募があった。リオパラリンピックでの日本勢の活躍で、学生の関心が高まった。
高橋記者は「一緒に楽しみたい、交流を広げたいという気軽な動機でも活動は担える。裾野が広がり、行政の支援が整えば地域スポーツとして根付いていく」と話す。今後も普及に向けた課題を追う。(S)