2017年 11月14日
SNS介した性犯罪に警鐘

北海道「子どもを守ろう 第1部 ネット社会のわな」

 「秘密をばらされたくなかったら裸の画像を送れ」。10月上旬、道央の中学3年、美優=仮名=のスマートフォンに、ツイッターのメッセージが届いた。危険だと分かっていたものの、親や学校に知られては困る「後ろめたいこと」を投稿していた美優は、胸や下半身の写真を送った。

 子供たちがSNSを介し性犯罪や援助交際などのトラブルに巻き込まれている。インターネット社会で育つ子供たちの実態と、誘惑から身を守る手だてを報じた。10月30日付から全6回。

 統括した報道センターの山岡正和道警クラブキャップは「危険な一線を越えてしまう子供の背景に焦点を当てたかった」と説明する。例えば中学3年で援助交際を始めた22歳の女性。当初「過保護に育てられた」と話したが次に取材した際、生後8か月の時に複数のあざがある状態で自宅に放置され、養護施設で育ったことを告白した。「大人の問題でもある」と山岡氏。

 取材を重ね、子供たちの曖昧な証言の中から「これは確かだ」という情報を伝えることに腐心したと振り返る。援助交際などの肯定や助長につながると誤解されぬよう、識者の警告や相談窓口などの情報も併記した。

 親からの虐待などを受けていない美優のような子供でも、SNSを介せば危険と隣り合わせであることを訴えたかったという。写真を送った相手との連絡は途絶えたものの「1か月後も来年も、その先もずっと」画像が流出していないか、ネットを確認し続けると語った美優の苦しみを伝えた。山岡氏には、地域のつながりが希薄になる中で「子供がSNSに居場所を求め、悪意のある大人がそこを狙う。その危険性を報じてこなかった」との思いがある。

 今後は家庭や学校、親世代の問題を取り上げていくという。(斎)

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