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2018年 7月3日
人手不足補う技術、全国で取材
中国「人が減る 第4部 先進例」
そのロボットの名は「サクセサー(継承者)」。溶接、塗装、組み立て、鋳造などの技術を機械工の操作から人工知能(AI)で学習する。必要な力加減や感触、音の数値化が可能。製造業ではいまも9割以上の作業を人手に頼ると言われる中、生産現場を変える技術として注目を集める。
経済部の山本和明記者ら3人が担当。労働力不足の打開に向けた新技術を全国各地で取材した。県内企業の生産性向上策に着目した第3部に続き、その先を追った。6月5日付から全6回。
川崎重工業(神戸市)が開発したサクセサーは新人に技術を分かりやすく伝授する機能も期待される。言葉で伝えにくい熟練者の感覚を数値で表すことができるからだ。
自動車関連産業などが盛んな広島県では「企業の関心は高い」と山本記者。しかし先進技術は導入費用もかさむ。記事を読んだ取材先からは「中小企業でも取り入れられるようなヒントが欲しい」との要望も寄せられた。
県内で今後、普及が進みそうな技術にRPA(ロボットによる業務自動化)を挙げた。AIのような学習機能はないが安価で、システム会社の手を借りれば比較的容易に導入できるという。
連載では中国電力(広島市)の先行例を紹介した。月に8千~1万件発生する工事や物品の契約情報の書式修正を、RPAは20分で終える。これまでは社員が3時間以上かけて直していた。このRPAを提供した企業の担当者は「2、3年以内にエクセルやワードのような当たり前のツールになる」と取材に答えた。
合理的な発想と技術の融合が「人が減る時代を生き抜く一つの答えになる」。山本記者は連載をこう結んだ。第5部では自動運転など開発途上の技術から、さらに先の未来を探る予定だという。(酒)