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2022年 1月25日
公立高 個性尊重する教育模索
京都「高校のゆくえ」
京都府立朱雀高(京都市)は2019年度、生徒の関心に応じたコース制の導入や部活動の活性化などを柱に据えた改革に着手した。その名も「朱雀プライド計画」。生徒には基礎学力を定着させることに加え大学進学など将来について考えるよう促した。「ボランティア部」の新設などで、充実した高校生活が送れる環境整備にも取り組む。
京都府の公立高が独自色を打ち出し、変わろうとしている。府の公立高入試制度は14年、生徒が受験先を選べる単独選抜に移行。偏差値の高い進学校などに志願者が集中する一方、少子化の影響も受け一部の高校では定員割れが続く。報道部の三村智哉記者が受験生から選ばれるため奔走する各校の取り組みを伝えた。21年12月12日付朝刊から全5回。
朱雀高の山本校長は公立の魅力を「多様性」であると指摘。いろいろな子供を受け入れる学校でありたいと三村氏に話した。定員割れが続く学校では「入学した生徒の自己肯定感が下がったり、学びへの意欲が低下したりする」(府立高教職員組合)との課題もあるという。こうした中、三村氏は山本校長が「中3の時の力で全てが決まるわけではない」との思いで生徒と向き合う姿を紹介。改革を実施する中で進路を意識する生徒が増え、定員も充足するようになったと報じた。
各校の取り組みを追うと「高校の役割とは何か」との問いが浮かび上がってきたと三村氏。偏差値にとらわれない朱雀高のような教育は「価値観が多様化する現代に必要だ」と強調する。
スポーツや芸術などの面で生徒の個性を伸ばせるよう改革を模索する府立東稜高(京都市)も取り上げた。生徒が「自分は将来何がしたいのか」を見つけられる環境を整えることが「高校の果たすべき役割ではないか」(三村氏)との思いを込めたという。 (阿)