2024年 9月24日
観光PR役の在り方探る

十勝毎日「青空レディは花なのか?」 8月20〜22日(全3回)

 十勝観光連盟(北海道帯広市)が地元のPR役として募る「とかち青空レディ」。女性に限定した観光PR役を見直す動きが全国で広がる中、20歳以上の女性に対象を限った仕組みを維持している。地元の観光団体は、女性のPR役が観光行事に参加することで「おじさんだけよりも華やかに彩ってくれる」と説明する。

 札幌支社の大海雪乃記者(連載時はデジタルセンター記者)が報道センターの山田夏航記者と共に、青空レディを務める女性や観光団体の関係者らに取材。PR役の今後の在り方を探った。

 藤田真知さん(33)は、市内の航空会社に勤めながら現役のPR役として活動。地域の特色をSNSで発信するなど「地元目線で十勝の魅力を伝える」ことが自身の役割だとの思いで活動に励む。一方、観光団体側には「花を添える役割」を求める風潮が残る。本別町では、地元の「つつじ祭り」で青空レディをモデルにした写真愛好家による撮影会を実施。理由は「映える」から。歴代のPR役を務めた女性が必ずしも意欲的に参加しているわけではないという。

 連載は、もっと幅広く派遣を依頼してもらえるようになってほしいとの藤田さんの思いを紹介。依頼側の観光PR役に対する意識の低さなどのために、一人一人の「個性を生かし切れているとは言えない」と指摘した。大海氏は「藤田さんらの知識や経験が生かせる場があるはずだと考えた」と振り返る。

 連載の背景には、女性に限定したPR役のために、十勝全体が男女平等への対応に遅れている印象を与えかねないとの思いもあった。ジェンダー論の研究者にも取材。「女性は美しさで価値が計られるという価値観を引きずっている」との指摘などを報じた。現状の仕組みが、性別により仕事の割り振りを決めたり、役割を期待したりする無意識の偏見にもつながることについて、読者に考えてもらうことを意識した。(直)

 ※連載はこちらでご覧いただけます。(他社サイトに移動します)

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