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2024年 11月12日
農家高齢化の課題浮き彫り
徳島「営農型太陽光 浮かび上がる問題点」 10月12~14日(全3回)
行政から一時転用の許可を受けた農地に太陽光パネルを設置し、農業を続けながら発電する制度「営農型太陽光発電」。徳島県三好市では多くの高齢の農地所有者が、営農型太陽光発電を手掛ける市内の業者に土地を貸し出す。しかし、そのほとんどが農地法違反状態にあると、県や市農業委員会から指摘されているという。
太陽光パネルの下で野菜などの食物を育てていることが制度の前提。多くの設備が違反状態にあることを連載開始の前日に報じていた。複雑な制度を解説し、読者が問題をより深く理解できるよう連載を展開した。三好支局の原田志保里記者と3月まで同支局にいた若武社会・地方部記者が制度の課題点や背景を探った。
問題の発端は、ある市内業者だった。この業者は高齢や後継者不在などの理由で農業を続けることが難しくなった住民から借りた農地で営農型太陽光発電設備を整備。次に、「土地付き」と称して設備を県外事業者に販売する。県外事業者に農業の技術や経験はなく「発電さえすれば売電収入を得られる」と考える県外事業者も多かったという。若記者は制度が始まった時に「営農の継続が前提であることを行政が周知できていなかった」ことが違反状態の設備が増えた要因の一つだと指摘する。
農地を業者に貸し出す高齢者を取材した原田記者は「ほとんどの人が営農型太陽光発電の制度や、自分の農地がどのように使われているかを理解していなかった」と説明。高齢化により管理されなくなった土地をどのように活用すればよいかという「地域が直面する根本的な課題に行き着いた」と話す。
仮に事業者が倒産するなどした場合、責任は地権者に残るという。連載では、自力で土地関連の手続きができない高齢者が「一番困ることになる」と指摘する行政関係者の声も紹介した。(阿)
※連載はこちらでご覧いただけます。(他社サイトに移動します)