[広告主部門 新聞広告賞]5件(広告主名50音順)
【受賞理由】
「北海道・北東北の縄文遺跡群」が国連教育科学文化機関(ユネスコ)世界文化遺産の候補となる中、青森県の縄文文化への理解とそれに連動する観光ブランドの定着を図るため、県内出土の土偶をビジュアルにした新聞広告を掲載した。縄文時代の人々が土偶を身代わりと考え、気になる箇所を壊すことで病や傷の平癒を祈ったという説を踏まえ、広告掲載の土偶を破り、健康を願う仕掛けを施した。1万年の時を経て、一説ではあるが、土偶本来の利用法を呼び掛けたメッセージは、SNS上でも大きな話題となり、青森県と遺跡群の関わりを認知させた。コロナ禍で観光需要が減少し、誘客目的の情報発信が難しい中、新聞広告を「破る」という斬新な手法で、収束後の旅先としてのPRと県の縄文イメージ定着を成功させた広告企画として、高く評価された。
掲載=2021年3月17日、3月27日、日経(本紙と別刷り)に掲載/全15段×4(表裏)、カラー
「広告事例」掲載ページ
『鬼滅の刃』完結巻発売記念&1億冊突破記念企画「夜は明ける。想いは不滅。」
株式会社集英社
【受賞理由】
国民的な人気漫画『鬼滅の刃』最終23巻の発売日に合わせ、全国紙5紙朝刊の広告に主要キャラクター15人を各紙3人ずつ切り替えて登場させ、累計発行部数1億冊突破への感謝の気持ちを伝えた。発売前日の夕刊で作中の名言をコピーにして完結を予告し、発売当日朝刊のインパクトある広告掲載につなげる壮大な仕掛けには、全国の幅広い年齢層から大きな反響が寄せられた。広告紙面はSNSで広く拡散されるとともに、掲載紙の購入も相次ぐなど、大きな話題を呼ぶ結果となった。新聞広告の拡散力と存在感を示した広告活動として高く評価された。
掲載=2020年12月3日、朝日、毎日、読売、日経、産経(大阪)の夕刊に掲載/全15段、モノクロ
2020年12月4日、朝日、毎日、読売、日経、産経の朝刊に掲載/全15段×4、モノクロ
としまえん 最後の広告 Thanks.
株式会社西武園ゆうえんち(旧社名 株式会社豊島園)
【受賞理由】
遊園地「としまえん」が、閉園前日の新聞広告で94年間の感謝を伝えた。人気漫画「あしたのジョー」のラストシーンで「楽しませることに徹し、燃え尽きるまでやり切った」ことを表現、「Thanks.」とただ一言添えることで余韻を残すなど、シンプルなビジュアルとコピーでインパクトを最大限まで高めた。「史上最低の遊園地。」をはじめ、数々のユニークな新聞広告で話題になってきたアミューズメントパークらしいクリエーティブは、営業を終了する施設の広告としては類がなく秀逸で、SNS上で大きな反響を呼んだ。さまざまなメディアで紹介された新聞広告により、閉園を惜しむ声が高まるなど、斬新な表現力と拡散力が高く評価された。
掲載=2020年8月30日、朝日(東京)に掲載/二連版全30段、モノクロ
「広告事例」掲載ページ
【受賞理由】
販売店のあるそれぞれの町の「かけがえのない一日」のために、自動車メーカーとしてどう向き合うかを宣言し、オーナーから寄せられた販売店スタッフとの実話を紹介するシリーズ広告を展開した。新聞広告の第1回では豊田章男社長が直筆で企業姿勢を伝え、第2回以降は目の前のたった一人のオーナーに寄り添った販売店スタッフの物語を通じて、企業として大切にする価値観を表現した。じっくり読ませる新聞広告の特性を生かし、地域のかけがえのない毎日や暮らしに尽くすという企業の強い意志を伝えた広告企画として高く評価された。
掲載=2020年6月27日~11月28日(計6回)、全国55紙に掲載/全15段、カラー、モノクロ
「広告事例」掲載ページ
【受賞理由】
定年退職する高校の恩師に向けて、教え子の卒業生がお祝いの個人広告を地元紙に掲載した。恩師が国語科の教員だったことにちなみ、文章問題になぞらえたクリエーティブで感謝の気持ちを表現した。最後の勤務日に掲載した広告は、恩師に驚きを与えただけでなく、各種メディアで紹介され、多くの教え子らから連絡が寄せられるなど話題となった。コロナ禍で直接会って退職を祝えない中、マス媒体である新聞で個人から個人に発信した広告は、恩師の縁者だけでなく広告に接した多くの人々の心を温かくするなど、新聞広告の新しい活用法を提案しており、高く評価された。
掲載=2021年3月31日、新潟に掲載/全15段、モノクロ
「広告事例」掲載ページ
[新聞社企画・マーケティング部門 新聞広告賞]5件(新聞協会会員名簿順)
未来のきみに贈る歌(#ミラ歌)
北海道新聞社 営業局
【受賞理由】
コロナ禍で思い描いた学校生活を送れなかった道内の高校3年生を励ますため、教育界などと連携してチャリティープロジェクトを展開した。高校生が提供した思い出の写真や映像を基に、地元出身のロックバンド「GLAY」による「未来のきみに贈る歌(#ミラ歌)」ミュージックビデオ4作品を公開するとともに、高校生の写真と道内ゆかりの著名人のメッセージを掲載した広告特集を本紙で展開した。ビデオと紙面はギフトカードと共に道内全ての高校3年生4万1000人に贈られた。多くの道内企業・団体の協賛を得た取り組みは、テレビやラジオ、SNSなど多くの媒体やイベントを通じて紹介され、生徒たちが次のステージに向かう契機となった。新聞社の総合力を発揮した広告活動として高く評価された。
掲載=2020年11月2日、11月12日、11月19日、11月26日、12月8日、12月10日、12月24日、12月27日、2021年2月28日、3月1日、3月21日、4月1日/全15段、全7段、全5段、雑報、カラー、モノクロ
【受賞理由】
東日本大震災から10年の節目に、被災地の復興に尽力してきた企業・団体の取り組みを20ページにわたる別刷り特集で紹介した。「企業・団体が主役」をコンセプトに、広告主の復興支援活動を記事体広告で分かりやすくまとめた紙面に加え、シンポジウムの開催や特設ウェブサイトで立体的に展開することで、見えにくい企業・団体による地域への貢献活動を可視化し、広告主と地域社会をつなげる役割を果たした。震災からの復興という地域や住民にとって重要かつ切実なテーマを、新聞広告を中心に未来志向で的確に捉えた企画力が高く評価された。
掲載=2021年4月27日/別刷り(20ページ)、カラー
「広告事例」掲載ページ
下野新聞認知症カフェプロジェクト
下野新聞社 営業局
【受賞理由】
今や誰もが無縁ではなくなった認知症を知ることで、不安や恐怖、偏見をなくし、発症しても自分らしく生きることの大切さを啓発するキャンペーンを新聞広告を起点に実施した。ポジティブなキャッチコピーとオレンジを基調にした明るいビジュアルで、AR(拡張現実)動画や識者のコメントも交えるなど、深刻なテーマである認知症の問題を前向きに捉えた。紙面に加え、啓発イベントの開催やウェブとの連携で立体的かつ継続的に展開し、多くの新規広告主からの協賛を得ることに成功した。認知症という国民的課題に対する新聞社の取り組みの見本となる企画力が高く評価された。
掲載=2020年9月21日、9月25日、10月1日、10月8日、10月19日、10月20日、10月21日、10月30日、11月1日、11月21日、12月21日、2021年1月21日、3月21日、4月30日、5月21日/二連版全30段、全30段、全15段、全5段、カラー
「広告事例」掲載ページ
【受賞理由】
新型コロナウイルスの影響で長野県内各地の花火大会が中止となる中、最新のAR(拡張現実)技術を活用し、紙面上で臨場感ある諏訪湖の花火大会を楽しめる広告を掲載した。特定のアプリ等を必要としない仕組みを用いたことで、幅広い年代の読者に花火の映像を楽しんでもらうことを実現した。紙面のみの告知にもかかわらず、SNSへの投稿は広告掲載後3日間で6万件、インプレッションは3792万件を記録、テレビの情報番組等で幅広く取り上げられ、新聞の販売・購読にも貢献した。新聞が持つメッセージ性とARによる娯楽性を巧みに融合させ、誰もが容易に観覧できる新たなイベントの楽しみ方を提案した広告企画として高く評価された。
掲載=2020年8月15日/全60段(ラッピング)、カラー
「広告事例」掲載ページ
【受賞理由】
コロナ禍の中、長崎原爆犠牲者慰霊平和祈念式典が参加者を制限しての開催となったことを受け、紙面上で祈りの場を提供する広告企画を展開した。式典当日のラッピング広告紙面で、会場である平和公園の石畳を写真により原寸大で再現、紙面で「気づき」、その上で黙とうをささげる「行動」、被爆者の願いや核兵器のない未来に思いをはせる「想像」を読者に促した。SNSやネットメディアで話題になるとともに、修学旅行で長崎訪問を予定していた中学校が平和学習の教材とするなど、さまざまな波及効果をもたらした。被爆地の地元紙として、紙の特性を生かした斬新な発想で、「想像力は最大の抑止力になる」という平和への強い願いを発信した広告活動として高く評価された。
掲載=2020年7月30日、7月31日、8月1日、8月2日、8月3日、8月4日、8月5日、8月6日、8月7日、8月8日、8月9日、9月21日/全60段(ラッピング)、二連版全30段、全5段、カラー
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