社員が変わる 新聞活用のすすめ社員が変わる 新聞活用のすすめ

  • 岩田製作所
  • 代表取締役
  • 岩田 修造

仕事の基本、それは「人間力」

いわた・しゅうぞう●1948年岐阜市生まれ。早稲田大学第一商学部卒業。商社勤務を経て、72年岩田製作所に入社。89年代表取締役就任。岩田製作所は岐阜県関市に本社を置く産業用機械部品メーカー。2012年岐阜県子育て支援エクセレント企業認定。

大切な社員の成長

 「一番大切なのは社員・二番目は仕入先・そして最後が得意先」。この経営理念は、大学を出て勤めた大阪の専門商社で学んだことです。

 では、社員を大事にするとはどういうことか。もちろん、単に甘やかすことではありません。やはり社員一人一人が人間として成長できること。そのためには、本や新聞を読み、対話し、人生を振り返るといったアナログ的な時間が不可欠だと思っています。ところが日常にデジタル機器が浸透した平成の時代、便利で効率的になった裏側で、社員はスマートフォンばかりのぞき込むようになりました。休憩時間に会話することもなく、それぞれが必死に手元を見ている異様な光景に、私は強い危機感を持ちました。

 2013年、私用スマホを使わない社員に毎月5千円を支給する「デジタルフリー奨励金」を導入したのは、この状況を何とかしなくてはと思ったからです。さらにその翌年には、30歳以下の社員を対象に「新聞手当」を創設。新聞を読み、記事の感想を月1回提出することを条件に、月2千円を支給しています。「岩田文庫」の設置、ビブリオバトル(書評合戦。誰がすすめる本が読みたくなったかを競う)開催など、本を読むことも積極的にすすめるようになりました。

社員の会話増え4期連続で増収増益

 結果、社員の会話は確実に増えました。読んだ本や新聞記事を話題に会話する「本来の光景」が社内あちこちで見られるようになり、ビブリオバトルにおいては、発表者に立候補する社員まで現れました。会社が14年から17年まで4期連続で増収増益を達成することができたのも、これらのことと決して無関係ではないと思っています。

 中小企業の強みは、社員がお互いをよく知っており、コミュニケーションが密なことです。売り上げに直結する情報がいきわたっているのは当たり前。そうでない情報も、社内の誰もが知りつくしている、それが大切なのです。

 これから社会に出て働く若いみなさんは、まず何に対しても好奇心を持ってください。そして、新聞を読み、本を読み、会話する。その中で考える力・質問する力・雑談する力をぜひ養っていただきたい。そうしてみなさんが成長することが、ひいては会社の成長にもつながっていくのです。

組織活性化と新聞

企業も社員も、社会への感度を高める
日本能率協会 近田 高志氏
日本能率協会 近田高志氏

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