[広告主部門 新聞広告賞]5件(広告主名50音順)
【受賞理由】
ゴキブリの活動が本格化する夏を前に、紙面の余白に3ミリ幅の広告を掲載し、わずかな隙間に潜むゴキブリの生態を伝え、早めの対策を促した。目を細めないと見逃してしまうクリエーティブを使って、SNSで当該の広告を探すキャンペーンを実施したところ、多数の応募が寄せられ、公式アカウントのフォロワーが約3000人増えるなど、大きな反響を呼んだ。新聞広告を斬新な表現で利用し、大きな宣伝効果をもたらした広告企画として高く評価された。
掲載=2021年7月6日、朝日、東京に掲載/3ミリ×15段、カラー
【受賞理由】
食べられる状態であるにもかかわらず廃棄される食品の削減が重要な社会課題となる中、誰もが簡単に取り組めるフードロス対策を新聞広告で紹介した。カラフルなデザインで並べた8種類の野菜の保存方法を分かりやすく紹介し、広告紙面を切り取って冷蔵庫などで長持ちさせる包装紙として利用できるようにした。新聞で情報を発信するだけでなく、紙面の大きさや紙質を利用した解決法を提示し、生活者の食を応援するという企業姿勢を見事に伝えた広告として高く評価された。
掲載=2022年3月31日、朝日(名古屋)、毎日(中部)の夕刊に掲載/二連版全30段、カラー
Uターン促進企画「親のひとことが島根へ帰るきっかけでした」
島根県
【受賞理由】
ふるさとを意識するお盆の時期に合わせ、離れて暮らす親子の絆を描き、島根県へのUターンを促進する広告活動を展開した。見開きページの表面で都会での生活に疲弊した息子、裏面では島根県の実家で心配する母親の様子を表現した。紙面上の二次元コードをスマートフォンで読み取り、それぞれの思いが交錯する動画の閲覧に導く仕組みは、SNSで大きな反響を呼び、サイトへのアクセス数が急増した。年末にはUターンした若者が定住を決める契機となった家族とのエピソードを笑顔で語る広告も掲載した。紙面とデジタルを融合させ、地方自治体が取り組む人口減対策に貢献した広告企画として高く評価された。
掲載=2021年8月14日、12月30日、山陰中央に掲載/ラッピング全60段、二連版全30段、カラー
【受賞理由】
母の日を2日後に控えたタイミングで、人気漫画「あたしンち」のお母さんが登場する広告を4ページにわたりサイズを切り替えて掲載した。「プレゼントはいらないからね」というセリフとは裏腹に、紙面をめくるたびにキャラクターの顔が大きくなり迫ってくることで、母の日のプレゼントを期待する母親の心境をユーモラスに表現した。SNSに投稿しやすい4コマ漫画風のクリエーティブを展開したことで広く拡散され、大きな反響と共感を呼んだ。新聞の媒体特性をうまく活用した企画で注目を集め、企業ブランディングに寄与した広告活動として高く評価された。
掲載=2022年5月6日、読売に掲載/全15段、全7段、全5段、雑報、カラー
目の愛護デー「巨大QRコード新聞広告」
ロート製薬株式会社
【受賞理由】
「目の愛護デー」である10月10日が、2021年に創設された「デジタルの日」でもあることを踏まえ、巨大QRコードを配置し、目の健康の大切さを啓発する新聞広告を掲載した。QRコードを読み取るために紙面から一定の距離を取ることを促し、スマートフォンをかざして表れる「目のためにこれくらい離れましょう。」というメッセージを効果的に伝えた。自社サイトへのアクセス数は普段の20倍以上となり、ツイッターのインプレッションも66万を超えるなど大きな反響を呼び、商品の売り上げ増につなげた。新聞の全ページ広告の大きさをうまく利用したインパクトのあるクリエーティブを起点に、企業姿勢や商品価値を見事に表現した広告企画として高く評価された。
掲載=2021年10月10日、読売、日経に掲載/全15段、カラー
[新聞社企画・マーケティング部門 新聞広告賞]5件(新聞協会会員名簿順)
風化させてはいけない震災がある【あの日のテレビ欄+47体の身元不明遺体】
岩手日報社 広告事業局
【受賞理由】
東日本大震災から11年が経過し、被災地でさえも風化が止まらない中、当時の記憶を呼び起こす広告企画を展開した。誰もが続くだろうと信じていた日常が、一瞬にして失われた事実を思い返してもらうため、3月11日付の別刷り特集に震災当日のテレビ欄を再掲載した。本紙特集では、岩手県警が身元不明の遺体の似顔絵や遺品を今でも公開していることを紹介し、情報提供を呼び掛けた。テレビCMや特設サイト、SNSと連携して拡散を図った結果、県警サイトへのアクセス数が広告掲載前の10倍に達し、問い合わせも増加した。新聞社の総合力を発揮し、県内企業・団体から多くの賛同を得て震災の風化防止に取り組んだ広告活動として高く評価された。
掲載=2022年3月11日/本紙全60段、別刷り全15段、カラー
虐待ゼロへ いのちにハグを。 とちぎ
下野新聞社 営業局
【受賞理由】
2020年に全国の児童相談所が対応した虐待の相談件数が過去最多となり、栃木県でも増加傾向にある中、虐待防止に向けた啓発キャンペーンを開始した。企画紙面で子育てに伴う親の孤独や養育をめぐる問題を取り上げ、親子で参加するイベントの開催など触れ合いの場を創出した。メタバース上で子育ての悩みを気軽に話し合える交流会を開催するなど、最新技術を生かした取り組みを展開したほか、子育て世代への思いやりの意思表示を示すオリジナルキーホルダーを製作・販売し、地域社会で支援する機運を高めた。深刻化する社会問題に対し、新聞社が起点となり、重層的な取り組みで応えた広告活動として高く評価された。
掲載=2021年11月2日、12月6日、2022年1月10日、2月18日、3月20日、3月30日、5月27日から31日/二連版全30段、全15段、全5段、カラー
50000号記念 過去との邂逅×未来への閃光
信濃毎日新聞社 広告局
【受賞理由】
紙齢5万号を迎えた節目に、創刊から148年間の長野県の歴史を最新のデジタル技術を活用して振り返る広告企画を展開した。朝刊本紙に掲載した協賛社の広告枠に配した二次元コードを通じて、その企業にまつわる象徴的な過去の記事や広告がスマートフォンに表示される工夫を凝らした。過去のモノクロ写真を人工知能(AI)技術でカラー化し、現在の風景を並べて紹介した別刷り特集には、読者から多くの反響が寄せられ、SNSでも好意的な投稿が相次いだ。新聞社が保有するコンテンツを活用し、読者への感謝と地域と共に歩む地元紙の思いを表現した広告活動として高く評価された。
掲載=2021年9月19日/本紙全15段、5段など計100段、雑報(マルチ)、別刷り(16ページ)、カラー
【受賞理由】
「人生100年時代」の到来を見据え、日常生活を支障なく過ごせる期間「健康寿命」の延伸と認知症予防を目指すキャンペーンを開始した。本紙や別刷り特集に「脳トレ」問題を定期的に掲載し、専門家の科学的な解説で認知症予防への理解を促した。特設サイトでは「脳トレ問題」を毎日掲載し、回答数に応じてポイントがたまる仕組みや認知症チェック機能を導入したことで、月間78万ページビューを獲得する人気サイトとなった。紙面とウェブサイトとの連携や、関連イベントの開催による立体的な展開は、多くの広告主から賛同を得た。高齢化社会が進む中、誰もが抱え得る身近な問題に対し、新聞社の総合力を結集して取り組んだ広告企画として高く評価された。
掲載=2021年9月20日、12月6日、2022年3月20日から3月31日、4月17日から4月30日、5月15日、5月22日から5月31日/全60段、全15段、雑報、タブロイド判別刷り(20ページ、16ページ)、カラー
【受賞理由】
2021年1月の核兵器禁止条約発効を受け、同年8月9日時点で現存する核兵器の数1万3865個を黒い点、長崎・広島に投下された原爆を赤い点で示し、核の脅威を可視化する広告企画を展開した。被爆直後の両都市の航空写真を同日付紙面に掲載し、原爆の威力を図やグラフで分かりやすく表現することで、核兵器使用がもたらす惨事を読者が考える機会を提供した。見開きサイズの大きさを生かしたインパクトのあるビジュアルは、SNSで大きな話題となり、テレビの報道番組で取り上げられたほか、海外でも反響を呼んだ。原爆投下から76年が経過し、被爆体験の風化が懸念される中、長崎県内外の学校で平和学習の教材として活用されるなど、「平和の継承」に寄与した広告活動として高く評価された。
掲載=2021年7月30日から8月9日、9月21日/二連版全30段、全15段、全5段、カラー